それでありながら、本体のギリギリまで画面を広げた設計を採用することで、他の7インチブレットとさほど本体サイズを実現している。他の7インチブレットとの基本スペック比較を以下の表にまとめたので、確認して頂きたい。
この通りiPad miniは最も大型の液晶を搭載しながら、最も薄い7.2mmを達成している。重量についてはもっと軽量の端末もあるが、大きさとのバランスで考えれば満足いくレベルだ。これまでiPadを持ち歩いていた人であればiPad miniの軽さと薄さを実感できるだろう。
7.9インチ液晶を搭載するiPad miniだが、解像度は1,024×768ドットの4:3画面だ。これはiPad 2と同じ解像度になる。つまり、iPad 2のユーザーにとっては、従来通りの表示領域と言える。画面サイズが小さくなった分、高解像度にはなってはいるが、同じような感覚で利用することが可能だ。
iPad miniの液晶ディスプレイについて考える
アップルはiPhone 4の発表時から、高精細なディスプレイを「Retina」と呼んでおり、iPadやMacにも搭載してきた。従来よりも高解像度の液晶を搭載することで、ディスプレイの印象を一変させてきた。ところが、今回は、言ってしまえば「普通の液晶」である。
他の7インチブレットが1280×800ドットのHDクラスを搭載しており、iPad miniは決して高解像度とは言えない。表示された文字を見ると"ドット"を視認できるし、写真や映像もRetinaのような美しい表示で楽しむことはできない。
他の7インチブレットと比較した場合、大型の画面を搭載しているので、解像度が低さ余計に目立ってしまうのだ。高解像度競争を始めたのがアップル自身なので、単純に残念な部分ではある。
そのため、iPad miniの画面を見ても新鮮な驚きはない。ただ、画面表示は絶妙だし、文字のレイアウトや配置、見やすさといった部分のこだわりはさすがだ。表示デバイスとしては十分に優れている。
また、iPad 2クラスを想定して作られたゲームやコミックなどのコンテンツをそのまま使える点もメリットと言えるだろう。iPhone 5のような16:9画面でも、ほかのタブレットのような16:10画面でもないiPad miniだが、この辺りのコンテンツとの親和性を考えると良い選択と言えるだろう。