Kindle Fire HDのメリットは?

以上の2点において、Nexus 7の本体性能はKindle Fire HDを上回っているといえる。だが、Kindle Fire HDはNexus 7よりも4千円も安いことを忘れてはいけない。どちらのタブレットも他社の端末に比べれば破格の安さではあるが、特にKindle Fire HDの1万5,800円のインパクトはすさまじい。

あのiPad miniだってスペックを考えれば決して高価ではないのだが、Nexus 7とKindle Fire HDが安すぎるために"高い"という印象をユーザーに与えてしまったほどである。また、Nexus 7よりもKindle Fire HDの方が若干ではあるがバッテリー容量が多いのも地味ではあるが見逃せないポイントだ。

スペック面から見た結論としては、高いスペックが要求されるゲームアプリなどで遊びたい、あるいは電車内で片手持ちするなど重さが負担になる用途を想定しているのであればNexus 7を、そうでないなら安価なKindle Fire HDがオススメということになるだろうか。

サービス面での違い

もうひとつ、両者にはスペック面ではなくサービス面での違いもある。

というのも、通常のAndroid端末と同じようにアプリのダウンロードをGoogle Playから行うNexus 7に対して、Kindle Fire HDはAmazonが独自に用意したAmazon Appstoreから行うことになるのだ。

このAmazon Appstore、品ぞろえに関しては先行しているGoogle Playに比べてどうしても見劣りしてしまう。その代わりに、日替わりで有料のアプリを無償で提供するなど、ユーザーサービスに力を入れることで対抗する。

また、オンラインにゲームのハイスコアや達成率などを記録する「Amazon GameCircle」というサービス(iOSでいうところのGameCenter)をゲーマー向けに提供したり、一部のアプリを購入前に無料で試用できる「Test Drive」というサービスも行う。アプリ選びに自信のある人はGoogle Playの方が単純に品ぞろえが充実しているのでオススメだが、タブレット端末を持つのが初めてという人は、いきなりGoogle Playの広大な海に投げ出されても漂流してしまうだろうから、ガイドの行き届いたAmazon Appstoreを使う方がいいかもしれない。

スペック、サービスの両方から導き出した結論は次の通りだ。

  • 重量が負担になる使い方(電車内で片手で長時間持つ等)を想定している場合はNexus 7
  • 高画質で重いゲームを快適に遊びたいならNexus 7
  • すでにAndroid端末とGoogle Playに慣れているならNexus 7
  • アプリの品ぞろえよりもガイドやサービスを重視するならKindle Fire HD
  • Nexus 7の利点に4,000円の価値を見いだせないならKindle Fire HD

あとは実際の使い勝手だが、これについてはKindle Fire HDが発売してから改めて検証してみたい。

(記事提供: AndroWire編集部)