CineBench R11.5(グラフ17~18)

MAXON Computer GmbH
http://www.cinebench.com/

先程Photo04にも出てきたCineBench R11.5の結果である。まずグラフ17がRenderingの結果であるが、なるほどFX-8350の結果は、特にAll Coreの場合の性能が大きく改善しているのが判る。Single Coreの場合、FX-8150との差は8%未満でしかないのに、All Coreでは30%以上の性能差になっている。Single CoreとAll Coreで性能がこれだけ変わる、というのはコア間の同期を取るスピードが何かしらのメカニズムで高速化された、というのが一番考えやすい理由である。

実際、Single CoreとAll Coreの性能比を並べてみると、

AMD FX-8150 5.85倍
AMD FX-8350 7.09倍
Core i5-3570K 3.76倍
Core i7-3770K 4.57倍

となる。実質4コアであることを考えるとCore i5-3570Kが一番効率は良いのだが、絶対性能的にはどうしても劣ることは否めない。Hyper-Threadingを有効にすると効率はがくんと落ちるのはCore i7-3770Kがたった4.57倍であることからも推察できる。Hyper-Threadingは実行ユニットがある程度空いているケースでは有用だが、今回の様にフルにALUがブン廻っているケースではそれほど効果的とは言えない。このあたりはBulldozer式の構成の方が原理的に有利な筈だが、FX-8150ではこれが5.85倍とそれほど伸びなかったのは何かしらコア間の同期や通信の問題がオーバーヘッドになっており、それがFX-8350で解消されたのではないか? という気がする。

ちなみにグラフ18はOpenGLでのレンダリング性能だが、こっちはSingle Thread動作ということもあってやはりCore i5-3570Kが一番高速である。ただFX-8350もFX-8150から20%ほど性能を空き膳しており、そう悪くない性能と言える。

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