Bluetooth 4.0搭載により、単体でのワイヤレス出力が可能に
そのコネクタの変更とおそらく無関係ではないのが、新機能である「Bluetooth 4.0」の搭載だろう。これにより、iPod nanoでBluetooth対応スピーカーから直接、ワイヤレスで音声を再生できるようになる。Dockコネクタを利用する周辺機器でもっとも多いであろうスピーカーについては、ワイヤレスのBluetooth接続に移行させたい考えがあるのだと思われる。
Bluetooth搭載についてはもうひとつ、iPod shuffleとの差異化ポイントという面もある。より手軽で持ち歩きというより"装着"という感覚のiPod shuffleに対し、ケーブルのわずらわしさから解放されうるiPod nano……という性格付けで、携帯時の使いやすさの点でも違いをよりはっきりしたといえる。
また第6世代モデル同様、今回もNike+と歩数計は本体に組み込まれており、専用のレシーバーやシューズを利用しなくても歩数や距離、ペースを記録・確認できる。さらに前述のBluetooth対応により、スポーツ向けのBluetoothヘッドホンとの組み合わせでケーブルレスの音楽再生が可能になったため、これまでケーブルが引っかかってしまって難しかった複雑な動きを伴うダンスなどの練習時にもヘッドホンで音楽を楽しめるようになる。これまで以上にフィットネスに向いたiPodとなったわけだ。
まとめ――必要にして十分なメディアプレイヤー
iPod nano(第七世代)を単純に言い表すなら、"必要十分なメディアプレイヤー"ということになるだろう。音楽やビデオの再生、FMラジオ、iTunesを利用した音楽の購入という下地に、「Nike+と歩数計」のフィットネス要素、Bluetoothによるケーブルレスの促進という付加要素を組み込んでいる。
価格は12,800円と第5世代iPod touch 32GBモデル(24,800円)の約半額。iPod shuffleの4,200円にくらべれば高いが、容量や機能の違いを考えれば、割高ということはないだろう。通勤・通学、そしてフィットネスのお供として"メディアプレイヤー"を探しているなら、十分に魅力的な製品であるというのが筆者の評価だ。