NECから、ARMアーキテクチャのクアッドコアCPU、NVIDIA Tegra 3を搭載した11.6型ワイド液晶ノート「LaVie Y LY750/JW」が発表された。
360度回転するキーボードやマルチタッチ操作に対応したタッチパネル、薄型軽量ボディ、長時間駆動バッテリ、Windows 8のARM版である「Windows RT」の採用など、数多くの特徴を備えている。
今回は、その試作機をお借りすることができたので、実際の使用感や気になるポイントなどを紹介していこう。
■主な仕様 [製品名] LaVie Y LY750/JW [CPU] NVIDIA Tegra 3 (1.3GHz) [メモリ] 2GB [ストレージ] 約64GB SSD [光学ドライブ] なし [ディスプレイ] 11.6型ワイド(1,366×768ドット) [ネットワーク] IEEE802.11b/g/n [インタフェース] USB2.0×2、HDMI×1、SDメモリーカードスロット [OS] Windows RT [店頭予想価格] 90,000円前後(11月22日発売)
現時点で国内唯一のWindows RT & ARMチップ採用ノート
Windows 7から約3年ぶりのメジャーアップデートとなるWindows 8の登場で、国内PC市場がにわかに活気づいている。PCとタブレットを融合する新OSの特徴を生かしたこれまでにないユニークな端末も次々と投入されており、各社の発表があるたびに目移りして困ってしまうほどだ。
そんな新製品ラッシュのなかでも、とりわけ注目を集めそうなのが、新技術を満載したNECの「LaVie Y」である。
その特徴の一つとして、ほかと異なるCPUを搭載していることが挙げられる。同時期に登場した新OS採用機がx86アーキテクチャのインテルCoreプロセッサなどを採用しているのに対して、本機はAMRベースのクアッドコアプロセッサ、NVIDIA Tegra 3を搭載。また、それに伴いOSもWindows 8のARM端末向けエディションである「Windows RT」が採用されている。
CPUアーキテクチャが異なるため、インテルプロセッサおよびその互換機用につくられたアプリは本機では動作しない。動作するのは、プリインストールされているアプリか、Windowsのアプリストア「Windows Store」で提供されるModern UI版アプリのみ。これまでWindowsをガッツリ使いこなしてきて、豊富にソフトウェア資産を持っている人には、ちょっと悩ましい仕様である。
その代わり、従来にないメリットも数多く備えている。その最たるものが消費電力の少なさだ。もともとスマートフォンやタブレットなどのモバイル向けに開発されたチップということもあり、グラフィック性能が高いにもかかわらず、通常のデスクトップ向けCPUに比べて圧倒的に省電力。バッテリの駆動時間も長い。
今回は、その辺りの実際の性能も検証してみたが、驚きの結果が出た。詳しくは後述する。
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