かつてはプロジェクタというと会議室などに鎮座ましましているのがあたりまえ、持ち歩くのは一苦労……というものだったが、このところ携帯性にすぐれたモバイルプロジェクタの人気が急上昇している。デルの「M110」は発売から約1年が経過しているが、現時点でも出色の使い勝手のよさを誇る製品だ。

デル「M110」

■主な仕様   [輝度]  300 ANSIルーメン(最大)   [解像度]  1,280×800ドット   [コントラスト比]  10,000:1   [投射距離]  0.97~2.58m   [投射サイズ]  30~80インチ   [サイズ・重量]  W104×D105.3×H36.5mm、360g±22.7g   [直販価格]  41,980円(2012年10月17日現在)  

手のひらサイズのコンパクトプロジェクタ

「M110」の最大の特徴はそのコンパクトさだ。本体サイズはW104×D105.3×H36.5mmで、重量は360g(±22.7g)。ACアダプタと電源ケーブル、接続用のケーブルなどをキャリーケースに収めた重量が1kg前後なので、ビジネスバッグにモバイルノートPCといっしょに入れて持ち運んでも許容範囲だ。

本体とケーブルなどを収納できるキャリーケースが付属する

なお、現在「モバイルプロジェクタ」と呼ばれる製品には、スマートフォン・タブレットからの投射をメインに考えたより小型の製品もあるが、そういったものは解像度が低いうえに輝度が100ルーメン未満であることが多く、投影サイズ・距離、あるいは環境が限定される。その点「M110」は輝度300ルーメンと十分に明るいため、明かりのある室内でもそれなりに実用に耐える。いつもいつも部屋を真っ暗にできるわけではないビジネスプレゼンテーションには、やはりこれくらいの明るさが必要だ。解像度も1,280×800ドットとなっており、通常のプレゼンテーションには不足を感じることはないだろう。

利用イメージ。部屋を暗くしていれば表示は鮮やか。あるていど明るい室内でも、小さな文字は厳しいが、大きい文字はきちんと読める

投射距離は0.97~2.58mとなる。2.58mの投射距離で画面サイズは80インチ相当となるので、10人程度の会議でのプレゼンテーションならば十分なサイズの投射が可能だ。本体でも脚部をネジのように回して仰角の調整ができるが、底面に三脚装着用のダボ穴があるので、ここにミニ三脚などをセットすればより容易に角度を調整ができる。仰角をつけた場合の台形補正は、プロジェクタの調整機能として搭載されている。

脚部をネジのように回して仰角を調整できる

コンパクトデジカメ用の小型三脚に装着したところ。本体の重量はそれこそコンパクトデジカメとたいしてかわらないので、とくに不安定さは感じない

OSDの調整機能で台形補正が行なえるので、見上げたり見下ろしたりするような投射も可能だ

次のページ:コンパクトだが豊富なインタフェースを搭載し、幅広い活用が可能