静電気試験

静電気は電子機器の天敵だ。しかし、G-SHOCKには耐静電気性能も問われる。実際、セーターを脱いだとき、あるいは自動車のドアに触れたときなどに発生した瞬間的な静電気で壊れてしまったり、時間が狂ってしまっては困る。

静電気試験装置。机の上の静電気銃を使って、時計に対して放電する

静電気試験機の電源部分。電圧や放電間隔、回数などをセットする

小山氏「試験では、8,000ボルトの国際規格、それ以上の電圧を継続的に与えて品質の目安としています。セーターを脱ぐときの静電気は数千から数万ボルトになると言われていますね。暗がりで静電気が起こるとパチッ、と火花が見えることがありますが、こんなときは10,000ボルトを超えているでしょう。

もっとも、日常生活の中の静電気は一瞬で、数回のショートが起こるだけです。でも、試験では継続的に連続して与えます。この"連続して"っていうのは、電子機器にとってはかなりつらい条件なんですよ」

電源にケーブル接続された静電気銃(?)で、GW-5600の表面をなでていく小山氏。銃と時計が接するたびに、バチバチバチ…とイヤな音がする。そして金属ボタンに近づくと、小さな青白い稲妻が走るのだ。いや、電子機器でさすがにこれはヤバイでしょ、と思いつつGW-5600をのぞいてみると、やはりしっかりと動いている。外装やボタンが焦げたような形跡もない!

音声が流れますのでご注意ください

ボタン耐久試験

ボタン耐久性の試験は、ひたすらピンで時計のボタンを押す装置の出番。各ボタンが既定回数(数万回以上)を押されるように回数をセットして、試験スタート。装置のピンが繰り返し時計のボタンを押し続け、既定回数をこなすと試験終了。試験後もしっかりとボタンが押されるか、プッシュフィーリングに変化はないか、各機能がきちんと動作するかを確認する。

ボタン耐久試験用の装置。斜め四方のピンが順番に動き、時計のボタンを押す

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