「SmartTV Box」はAndroid 4.0を搭載し、無線LAN機能を使ってスマートフォンやタブレットと連携する「ケーブルテレビ向けセットトップボックス」である。これを使えば、今使っているテレビをスマートテレビにして、様々な機能を楽しむことができるのだという。
しかしなぜ今、テレビなのか。この疑問に高橋氏は次のように回答する。
「これからの日本は人口構成が上がっていく。若い人たちはお金を持っておらず、シニアが貯蓄を持っている。平均年齢85歳くらいの人たちが遺産相続をすると、それが50歳、60歳の世代に相続される。その人たちは裕福でアクティブであり、一番テレビを見る世代でもある。また、インターネットリテラシーも高い。ここを広げられないかと考えた」
テレビとインターネット、その両方に親しむ世代に向けて生み出された「SmartTV Box」。では具体的にどんな製品なのか、説明しよう。
SmartTV Boxに接続したテレビのホーム画面には、「テレビ」「PLAY」「インフォメーション」「アプリ」という4つの大メニューが置かれる。たとえば「テレビ」エリアでは、地上波デジタル、BS、CSの番組表が同じページに表示できる他、番組を検索することもできる。「PLAY」にはビデオや音楽、ゲームなど様々なエンターテインメントコンテンツが用意され、niconicoとも連携。この機能を使えば、ニコニコ動画をテレビの大画面で楽しむことができるというわけだ。
「インフォメーション」エリアは生活情報を取得できるエリア。天気予報やニュース、レシピ、ショッピング情報など、生活に関するあらゆる情報を見ることができる。また、「アプリ」エリアではテレビ向けのAndroidアプリを楽しむことが可能。auスマートパスでは約100本、GooglePlay全体では約200本のアプリがテレビに対応しているという。
もちろん、スマートフォンやタブレットとも連携可能だ。たとえばスマートフォンのゲームをテレビに映して楽しんだり、スマートフォンをテレビのリモコンとして使用したり、テレビ側で録画しておいた番組をタブレットで見ることもできる。
スマートフォン、タブレット、そしてここにテレビを連携させ、新たなライフスタイルを創造すること。これがauの目論む3M戦略の最大のポイントなのだ。
以上、NTTドコモとKDDIのキーノートスピーチを紹介した。
NOTTVとドコモクラウドの普及を目指し、Xiをはじめとする高速データ通信網を全国に拡大することを急務とするNTTドコモ。テレビを中心にスマートフォン、タブレットを強力に連携させ、新たなライフスタイルを提案するKDDI。まったく違う方向を見据えた2社の今後の動向に注目が集まりそうだ。
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