30年の歴史の中で作り出された「スターバックス ラテ」

そして、このスターバックス ラテは、一朝一夕に出来上がるものではなく、長いスターバックスの歴史の中で作り出されたものでもある。

さかのぼること約30年。現スターバックス・コーポレーション (アメリカ・シアトル本社)CEOのハワード・シュルツ氏がイタリアを訪れたことが、スターバックス ラテの原点といっても過言ではない。

イタリアのコーヒーバーであるバールは、イタリア人にとっては単なる「コーヒーを飲む場所」ではないとシュルツ氏は気づく。バールは朝から夜まで多くの人で賑わい、人々の交流の場となっていた。バールには最高のエスプレッソを入れる職人・バリスタがいて、バリスタが入れたエスプレッソを媒介にして人々が繋がっていく。バールはそんなコミュニティでもあるのだ。そんなエスプレッソにシュルツ氏は感銘を受け、イタリアのバール文化をアメリカに持ち込み、また、イタリアで魅了されたカフェラテを提供しようとも考えた。

翌年の1984年、シアトルのスターバックス店舗内に立ち飲みスペースを設置。バールのコンセプトを試験的に実施してラテを提供したところ、大成功を収める。世界最大のコーヒーチェーンの原点が、店の一角に設けられた小さなコーヒーバーであるということは意外に知られていない事実だろうし、現在のスターバックスとラテが切っても切り離せない関係にあることもお分かりいただけただろう。

ラテのベースとなるエスプレッソ

さて、そんなラテだが、前述のようにベースとなるのはエスプレッソ。その抽出には、最良のアラビカ種を集めた「エスプレッソ ロースト」を使用する。コーヒー豆は当然のことながら農産物で、毎年豆の出来具合や風味は異なる。そのため、ブレンドや焙煎の度合いなどを細かく調整する必要があり、熟練の技が必要となる。

できあがったエスプレッソ ローストは店舗に運ばれ、バリスタの手により完璧なエスプレッソへと姿を変え、ミルクと合わさりスターバックス ラテが誕生する。気が遠くなるような多くの条件をクリアして初めて、一杯のラテが私たちの手元に届くのだ。そんなことを知ったら、いつも飲んでいるラテに対する見方もちょっと変わってくるだろうし、「ああ、今すぐ飲みたい! 」なんて気持ちになった人もいるのではないだろうか。

そんなアナタはぜひぜひ、いますぐスターバックスへ。経験豊富なバリスタと最高の一杯が待っています!

「キャラメル マキアート」(Short390円、Tall430円、Grande470円、Venti510円)
バニラシロップにスチームミルクとフォームミルクをたっぷり加え、その上にアクセントとしてエスプレッソをプラス。仕上げにオリジナルのキャラメルソースをトッピングした。商品名にある「マキアート」は、イタリア語で「しるしをつける」(マーキング)を意味する言葉。「キャラメル マキアート」におけるしるしとは、エスプレッソこと。次回オーダー時にはぜひ、表面に浮かび上がるエスプレッソの"しるし"をチェックしてみて!

「カフェ モカ」(Short 400円、Tall440円、Grande480円、Venti520円)
エスプレッソをベースに、ほろ苦いチョコレートシロップとスチームミルクをプラス。チョコレートの程よい甘さとミルクのまろやかさ、エスプレッソの心地良い苦みと豊かな香りが渾然一体となったドリンク。ホットにはホイップクリームをトッピング。少しずつ溶かしながら飲むことで、味わいはよりマイルドに