「共有する」といっても、「COOLPIX S800cに通信機能があるの?」と疑問に思われる方もあるだろう。その答えをはズバリ、「ノー」だ。本機に携帯電話のような通信機能はなく、撮影した写真をネットワークで共有するためにはWi-Fi(無線LAN)ルータやテザリング機能を持つスマートフォン、公衆無線LANアクセスポイントなどが必要となる。
話がカメラ的な要素からAndroid的な方向に移ってきたところで、Android端末としての側面を見てみよう。この点に関しても、本機の購入を検討している人にとっては、大いに気になる部分ではないだろうか。
まず、COOLPIX S800cに搭載されているAndroidのバージョンは、2.33。いわゆる「Ginger Bread」だ。多くの最新型Androidスマートフォンに搭載されているOSは4.0なので、少々古いOSが採用されていることになる。なお、ニコンはOSのアップデートには対応しないとしているが、実質的に困ることはないだろう。むしろ、Android4.0はバg……もとい多少不安定な独自仕様も目に付くので、安定している2.3の方が安心して使えるともいえる。対応アプリケーション数という意味でも、現状では2.3の方が有利だ。
液晶モニターのサイズは3.5型で、カメラとしては十二分な性能であるものの、4型オーバーなど大画面化が加速しているAndroidのトレンドとしては小さいといえる。画面の大きさは文字入力のしやすさに直結する一方、本体サイズと価格の肥大につながるから、どちらが良いかは意見が分かれるところだ。ただし、約82万ドットの有機EL液晶を惜しげもなく採用した画面は非常に美しく、撮影した写真の確認だけでなく、アプリの利用環境としても極めて良好だ。
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