それでは、各作品を採点(3点満点)付きで寸評していこう。ぜひスタート直後のレビュー「夏ドラマ全作品の初回ランキング付きガチ採点!」と照らし合わせてお楽しみいただきたい。
| 作品名・放映日時・放送局 | 出演者 | 寸評&採点 |
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『浪花少年探偵団』 月曜20時～ TBS系 |
多部未華子 小池徹平 山本耕史 | この枠らしく、東野作品を“子供からお年寄りまでがそろって見られる人情ドラマ"に料理。薄味好きの人はそこそこ美味しかったかも。多部未華子は『デカワンコ』の影を引きずりつつ、しのぶ先生を演じ切った。 【脚本☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 視聴率☆ 総合☆】 |
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『リッチマン、プアウーマン』 月曜21時～ フジテレビ系 |
小栗旬 石原さとみ 相武紗季 | リッチやプアがテーマと思いきや、徐々に月9王道のラブストーリーへ。成功からの転落、チームの団結、すれちがいからのハッピーエンドと、アジアでもウケそうな仕上がりに。miwaの主題もバシッとハマッた。 【脚本☆☆☆ 演出☆☆☆ キャスト☆☆ 視聴率☆☆☆ 総合☆☆☆】 |
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『息もできない夏』 火曜21時～ フジテレビ系 |
武井咲 江口洋介 木村佳乃 | 旬の年の差恋愛が期待された江口洋介と武井咲の関係は、ビックリするくらいゼロ。結果的に悪人はいないなど、ドロドロ脚本の女王・渡辺千穂にしては肩すかし。作品ごとに表現力を増す武井咲は、次作の期待大。 【脚本☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 視聴率☆☆ 総合☆☆】 |
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『GTO』 火曜22時～ フジテレビ系 |
AKIRA 瀧本美織 山本裕典 | 前作を見ていない世代には好評、見た世代には不評と賛否両論。各話のテーマがステレオタイプなのと、鬼塚のキャラがバカ&エロなしの熱さ一本だったのが原因か。ただAKIRAのような思い切った抜擢は大歓迎! 【脚本☆ 演出☆ キャスト☆☆☆ 視聴率☆☆☆ 総合☆☆】 |
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『警視庁捜査一課9係』 水曜21時～ テレビ朝日系 |
渡瀬恒彦 井ノ原快彦 羽田美智子 | シリーズ7作目も安定感に変わりなし。もはや、「事件や犯人探しよりも、9係メンバーのやり取りを楽しみにしている」というコアなファンも多い。視聴率も五輪期間中にしては上々で、次作もあるはず。 【脚本☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 視聴率☆☆ 総合☆☆】 |
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『トッカン 特別国税徴収官』 水曜22時～ |
井上真央 北村有起哉 鈴木砂羽 | 堅く扱いづらいテーマに相反する“人間臭さとチームの絆"で、体温を感じるドラマに。成長物ドラマの女王・井上真央と、冷徹な北村有起哉は、今クールNo.1のコンビネーションで、ドラマ好きほど好評価。 【脚本☆☆ 演出☆☆☆ キャスト☆☆☆ 視聴率☆☆ 総合☆☆☆】 |
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『京都地検の女』 木曜20時～ テレ朝日系 |
名取裕子 寺島進 大杉漣 | 「特別な知識も能力もない。主婦のカンよ」と言い切る名取裕子が何とも爽快。初回16%と、8作目にして過去最高の視聴率をマークしたが、五輪で3週間空いた影響か、その後1ケタ台に落ちたのは不運だった。 【脚本☆☆ 演出☆ キャスト☆☆ 視聴率☆☆ 総合☆☆】 |
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『遺留捜査』 木曜21時 テレビ朝日系 |
上川隆也 斉藤由貴 八嶋智人 | 第2弾は数字も評判も横ばいだったが、「被害者の想いを遺族に届ける」という、癒し系刑事ドラマとしての地位を完全に確立した。「何で毎回遺留品があるの!?」と疑問を持ちたくなるご都合主義もあるが、ドラマとしてのアベレージは高い。 【脚本☆☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 視聴率☆☆☆ 総合☆☆】 |
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『ビギナーズ!』 木曜21時 TBS系 |
藤ヶ谷太輔 北山宏光 剛力彩芽 | 茶髪だったり、恋が始まったり、マラソン大会に出たり、「警察学校にしなきゃいいのに」な要素が満載。「藤ヶ谷くん!」「北山くん～」と、彼らの笑顔&泣き顔を楽しむための、古典的なアイドルドラマだった。 【脚本☆ 演出☆ キャスト☆ 視聴率☆ 総合☆】 |
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『東野圭吾ミステリーズ』 木曜22時～ フジテレビ系 |
中井貴一 週替わり主演俳優 | 低視聴率の原因は、「キャラに思い入れを抱けない」消化不良さか。これほどのスタッフとキャストなら、伏線をしっかり張り、感情移入できる2～3話完結で見たかった。挑戦は称えたいが、やはり“連ドラ"で! 【脚本☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 視聴率☆ 総合☆】 |
| 『黒の女教師』 金曜22時～ TBS系 |
榮倉奈々 木村文乃 市川実日子 | 誰もが「なぜ榮倉奈々にこの役!?」とツッコんだが、答えは明快。美脚を生かしたハイキックが武器の“必殺仕事人ドラマ"だった。古いタイプの悪人ばかりで、生徒の悩みが『GTO』とかぶったのは減点材料。 【脚本☆ 演出☆ キャスト☆ 視聴率☆☆ 総合☆】 |
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『ボーイズ・オン・ザ・ラン』 金曜23時15時～ テレビ朝日系 |
丸山隆平 平愛梨 斎藤工 | 「ジャニ史上最高の汚れ役」と言われた丸山隆平の顔面演技がスゴかった。それを生かすためか、同枠にしてはバイオレンス中心でお色気が少なめ……ゆえに視聴率は低迷。非モテ男性のみ共感度が高かったかも。 【脚本☆ 演出☆☆ キャスト☆☆☆ 視聴率☆ 総合☆☆】 |
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『ゴーストママ捜査線 僕とママの不思議な100日』 土曜21時～ 日本テレビ系 |
仲間由紀恵 沢村一樹 君野夢真 | 予定調和の大団円、展開も結末もわかっているのに、ホロリとさせられる盤石のファミリードラマ。唯一の驚きは、生瀬勝久も幽霊になって仲間との名コンビを復活させたことか。子役のとんぼくんだけが目当ての人も多数。 【脚本☆☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 視聴率☆☆ 総合☆☆】 |
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『主に泣いてます』 土曜23時10分～ フジテレビ系 |
菜々緒 中丸雄一 草刈麻有 | 強烈キャラ、マシンガン小ネタ、さらに主役はほぼ無言で、顔出しすら極少。これだけ振り切った作品にはなかなか出会えない。物語の本筋や、体の向きにまでこだわった繊細な演出も好印象。安達祐実はふた皮むけた!? 【脚本☆☆☆ 演出☆☆☆ キャスト☆☆☆ 視聴率☆☆ 総合☆☆☆】 |
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『サマーレスキュー ～天空の診療所』 日曜21時～ TBS系 |
向井理 尾野真千子 時任三郎 | 滑落シーンのお約束や、簡単に下山してしまう主人公に拍子抜け。さらに、ラストもわずか1年でまさかの診療所復活! それでも、山の景色は最高だし、ロケは大変だっただろうし、イケメン多かったし……まあいいか。 【脚本☆ 演出☆ キャスト☆ 視聴率☆☆ 総合☆】 |
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『ビューティフルレイン』 日曜21時～ フジテレビ系 |
豊川悦司 芦田愛菜 中谷美紀 | 「お涙ちょうだい」「あからさま」と言われたが、フタを開けてみたら、あまり病気が進行せず、悲しいシーンを極力省いたキレイめのドラマだった。ピュアな人が見たら感動、汚れた心の人が見たら全否定する作品。 【脚本☆☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 視聴率☆☆ 総合☆☆】 |
きむら・たかし
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ評論家、タレントインタビュアー。1日のテレビ視聴は20時間(同時視聴含む)を超え、ドラマも毎クール全作品をチェックする重度のウォッチャー。雑誌やウェブにコラムを提供するほか、取材歴1000人超のタレント専門インタビュアーでもある。著書は『トップ・インタビュアーの聴き技84』など
