暗所での撮影写真の比較
では暗所での撮影はどうだろうか。照明をかなり暗くして撮影してみた。
iPhone 4S、800万画素、焦点距離(35mmフィルム換算)35mm、シャッター速度1/15、絞りF2.4、ISO800 |
iPhone 5、800万画素、焦点距離(35mmフィルム換算)33mm、シャッター速度1/15、絞りF2.4、ISO3200 |
はっきりと違いが出た。
4Sもがんばってはいるが、ISO感度の上限が800なのでかなり厳しい。対する5は、ISO感度の上限が3200まで上がったことで、非常に明るく撮影することができる。暗所に強くなったとは聞いていたが、まさかここまで差が出るとは思わなかった。さすがにISO3200ともなるとかなりノイズは出るが、スマートフォンのカメラでこれだけ写れば十分だろう。
iPhone 4S、800万画素、焦点距離(35mmフィルム換算)35mm、シャッター速度1/15、絞りF2.4、ISO800 |
iPhone 5、800万画素、焦点距離(35mmフィルム換算)33mm、シャッター速度1/15、絞りF2.4、ISO800 |
シャッター速度やISO感度がまったくの同条件になる環境で撮影。ISO感度は4Sの上限となる800だ。色の出方が異なるが、ノイズはどちらも同程度で大きな差はない。やはり暗所での撮影以外に明確な違いはないようだ。
最後に、iPhone 5に新しく加わった「パノラマ」機能と「動画録画中の撮影機能」を試してみた。
最初の遊具の写真と同じ場所をパノラマ機能を使って撮影した写真だ。左端のベンチと右端のベンチは同じものである。手持ち撮影だがつなぎ目に不自然な箇所はない。問題なく実用できるレベルだ。風景はもちろん、広い範囲の現状を1枚で伝えたいときなどに重宝するだろう。
最後は動画録画中に撮影した写真だ。見ての通り、普通に撮るのと遜色ない仕上がりである。シャッター音がしないので、録画の邪魔にならないのもありがたい。こちらも様々な状況で使えそうな便利機能である。
安易な画素数アップに走るのではなく、暗所撮影性能の向上やパノラマ機能、動画録画中の撮影など、"対応できる状況の拡大"を目指したiPhone 5。
iPhoneからSNSに多く投稿されている写真の多くが、イベントやパーティーといった暗所で撮ったものだったり、旅行中の風景写真だったりすることを思えば、この進化の方向性は正しいと思うのだ。