通常使用にフォーカスした機能構成

電源やリセット、CMOSクリア等のボタンも省かれている。この点、例えばGA-Z77X-UD3Hには搭載されていたわけで、少々惜しい気もする。デバッグLED、電圧計測ポイント(外部の計器と接続できる接点)、BIOS切り替えスイッチ(Dual UEFI BIOSの切り替えが可能)、そしてマルチGPU時のx16スロットに安定して電力を供給するための電源コネクタ「OC-PEG」なども本製品では搭載していない。

その代わり、ちょっと便利なのが、CPUソケット横のCPUファン用電源コネクタだ。GA-Z77X-UP4 THでは、CPUファン用とその上にシステムファン用が並んで搭載されている。厳密に言えば用途が異なるものの、例えばデュアルファンのCPUクーラーなどを搭載する場合、根本までケーブルをまとめてしまっても問題無く利用できるだろう。そう考えると、GA-Z77X-UP4 THを静音PCのベースとして活用するのも面白い。そしてここでシステムファン用コネクタを使ってしまっても、ほか2カ所ほどシステムファン用コネクタが用意されているので、ケースファンのマネジメントに不足はない。

ストレージに関しては、追加チップは搭載せずチップセットの機能のみとなる。SATA 6Gbps×2、SATA 3Gbps×4という構成だ。ポートはボードに対し横向きで、拡張カードとの干渉はほとんど無い。1000BASE-T対応LANチップはRealtek RTL8111F、オーディオチップは同ALC892を採用している。LANチップでは、Intel製チップだった上位モデルのGA-Z77X-UP5 THに対し、コストダウンが図られている様子。オーディオチップは、ともにRealtek製である点は同様だが、ALC898対ALC892で異なる。ALC898の仕様はまだ公開されていないが、型番からするとALC892の上位グレードであるとみられる。

SATAポートは6ポート。うち2ポートが6Gbpsという構成はIntel Z77チップセットの標準構成。追加チップは搭載されておらず、eSATAも搭載されていない

ほか、USB 3.0機能に関しては、GA-Z77X-UP5 THではチップセットのUSB 3.0機能にハブを介すことでポートを増やしていたが、GA-Z77X-UP4 THでは、チップセットとは別にVIA VL800 USB 3.0チップを追加することでポートを増やしている。

USB 3.0チップのVIA VL800を搭載

オーディオチップはRealtek ALC892

ネットワークチップはRealtek RTL8111F

最新インタフェースとひとつ上の安心を求めるメインPC向け製品

GA-Z77X-UP4 THは、GA-Z77X-UP5 THと比べればやや大人しい、とくにチップセット等に関わる基本仕様はシンプルに実装した製品となる。一方で、Thunderbolt端子は上位モデル同様の2ポート、UD5を採用するなど、GA-Z77X-UP5 THがOC路線なら、GA-Z77X-UP4 THは普段使いにおける機能を充実させ、ひとつ上の安定感を提供する製品と位置づけられるだろう。この点は、OC関連で便利なボタンや接点が省かれたことからも読み取れる。メインのPCとして、最新インタフェースと省電力、低発熱で安定した運用を求める方にオススメの製品だ。