Media Blocks
Media Blockはさらに多岐にわたって手が入っている(Photo18)。主な変更点はこちら(Photo19)であるが、これも実際には色々ある。まずDecode Engineに関しては、基本的にはIvy Bridgeのものの拡張であるが、最大解像度が4K×2Kまで広げられたり、MJPEGの対応が追加されている(Photo20)。またMPEG2のエンコード性能が追加された(Photo21)ほか、 SVCへの対応も追加された(Photo22)。こうしたエンコードを専用ハードウェアで行う是非について、消費電力と性能の両面からバランスが取れているから、と説明する(Photo23)。
Photo18: 全体を通して言うと、AMDのAPUを意識して、これに負けないものをハードウェアで全部実装した、という形であろうか。また消費電力の削減も大きなテーマになっている。 |
Photo19: MJPEGのDecodeは後述。遂にImage Stabilizationまでハードウェアで。 |
Photo22: SVCとは2008年にH.264に追加された標準規格。H.264/SVCという名称の方が一般的かもしれない。 |
Photo23: 全部が全部専用ハードウェアという訳ではなく、一部GPUのEUを使って処理するものも残されている。手ごろにバランスよく配する事で、消費電力と性能、柔軟性を両立できる、というのがIntelの主張。 |
次にQuick Sync Video。IntelのGPUを利用する理由の大きな一つがこちらであるが、Haswellはさらに高速化する(Photo24)と共に、これまで色々不満の多かった画質について向上させるためのオプションが追加される(Photo25)が明らかになった。ただこのスライドには無いのだが、別のスライドにはGT3ではQuick Sync Videoがより高速になるという話があり、今回についてもHaswellの"Faster"に関しては具体的な構成が明らかになっていない。逆に言えば、GT1/GT2のSkewでどこまで高速化されるかは不明で、ヘタをするとIvy Bridge世代と変わらない可能性がある。このあたりは今後の情報開示をまつしかないのが現状だ。
Photo24: Haswellでどの位高速化されるか、というのは今のところ不明。 |
Photo25: Quick Sync Videoの欠点は画質の悪さで、これが幾分なりとも改善されるのは大歓迎な話題である。 |
次がVideo Processing。Haswell世代では幾つかのフィルターや新機能が追加されている(Photo26)ほか、色々と改良の増されている。まずFRC(Frame Rate Conversion)は文字通りフレームレートの変換(Photo27)。ISとは、例えば手持ちビデオカメラで撮影した画像の手振れを検出、これを取り除く形のものである(Photo28)。Gamut Expansion(Photo29)は日本語で言えば色域拡大、Skin Tone Tuned Image Enhancement(Photo30,31)は、文字通り人間の肌の補正である。
Photo28: この機能、AMDがAPU向けに"AMD Steady Video"という名前で提供しているものであるが、これへの対抗と考えればよいだろう。 |
Photo29: HDRほどではないが、色補正の際に色域を広げる形で画質を改善する機能。 |
Photo30: 単に肌の色でなく、強弱をつけるかたちでくっきりさせるもの。 |
Photo31: これが実際の結果。左上のやや眠たい画像が、右上ではだいぶくっきりしている。もしまだくっきりさが足りなければ左下の様に部分的に強めることもできるし、逆に強すぎれば部分的にスムージングを掛けた右下の様にもできる。 |
最後にMedia関連の省電力機構。Media関連に関しては、Imagingの処理をScale/Compositeなどと並行に行えるようにしたことで、結果として長い時間PowerGatingによる電力カットを行えるようにしたことと、GT3に関しては片方のSliceを丸ごとPower Gatingできるようにしたことで、より改善されたとしている(Photo32)。
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