すごく便利で使い方も広がる「ツイン液晶電卓」(2011年)

ツイン液晶を備えた「JV-220W

ツインの名が示す通り、2つの液晶表示を持つ電卓である。もっとも簡単な使用例は、2,835円の商品の本体価格と消費税額といった計算だ。2,700円の本体価格と135円の消費税額を、2つの液晶画面で同時に確認できる。「12(億)3456(万)」といった見やすい表示ができるのも、特に大きな桁の数字をよく扱う人には便利なところだろう。

税抜き・税額表示

億・万桁表示

そのほか、2つの計算結果の比較や検算などをはじめ、「億」や「万」といったキーが用意されているので、「1」と「億」の2つのキーを押すだけで、「100,000,000」と自動的に入力される。2つの表示液晶の切り替えも簡単で、取りあえずこの数字を置いておきたいといった使い方も何かと重宝する場面が多い。やや実務に適した機能は多いものの、使い方しだいでさまざまな活用が考えられる。

高精細なカラー液晶を搭載したグラフ関数電卓「fx-CG20」(2012年)

もはや数学の小型PCと言ってもよいほどの「fx-CG20」

関数電卓と聞くと、一般的には少しなじみの薄いイメージがあるかもしれない。実生活で平方根(ルート)を求めることはどれくらいあるだろうか。しかし、理数系や理工系の学生、数学を駆使する技術者、学術計算などを行う研究者などにとって、関数電卓は不可欠な存在だ(関数電卓に習熟すると、PCの表計算ソフトや数学ソフトよりも簡単に、すばやく結果を得られるという声も多い)。

カシオ計算機においては、先述の「fx-1」から続いてきた電卓の系譜でもある。ちなみに、1985年にグラフ関数電卓「fx-7000G」、1995年に3色カラーグラフ電卓「CFX-9800G」を発売しており、fx-CG20はその集大成ともいえる電卓だ。表示能力は384×216ドットの約65,000色で、写真を背景にしたグラフ表示など、カラー性能を活かした機能が特徴である。

また、fx-CG20が初めてではないが、分数や平方根などが一般的な学校の教科書と同じように表示される数学自然表示も、カシオ計算機の関数電卓が持つ独自の機能である。例えば、分数の「1/2」(2分の1)は、それまでは【 1」2 】といった表示であり、いかにも分かりにくい。カシオ計算機の関数電卓なら、ちゃんと"分数"で表示される。国内でも海外でも、理系科目の教育用に使われる機会が増えているとのことで、まだまだ進歩が期待される電卓だ。

カラー表示と数学自然表示が大きなポイント