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少し丸みを帯びたスクエアなデザインの本体。カラーは写真のグランレッドのほか、シェルホワイトがある

高級IH炊飯器最新機種レビュー第3弾は、東芝ホームアプライアンスが9月上旬に発売する「真空圧力IH保温釜 RC-18VPF」。日本古来からのかまど炊き用の羽釜を模した、丸みのある独特の形状の内釜「鍛造かまど丸釜」が新たに採用されたのが新製品での大きな変更点だ。

改良された内釜は、側面は丸みを帯びたボール型だが、開口部分に近づくに従ってすぼみがあり、羽釜のハネのような突起が設けられている。ちょうど羽釜の下半分でカットしたような形状だ。この曲線的なフォルムが熱対流を導き、炊きムラを抑える効果があるという。

本体真上から。緩いカーブがあるが、比較的フラットなデザインで手入れがしやすい

本体側面から。凸凹が少なくスッキリとしている

本体後方から。こちらも凹凸が少なく、部分的な出っ張りもない

さらに、底面には「WAVE加工」という波状に起伏のある加工が施されているのが特徴的。この波状の加工により、沸騰時に細かい泡が釜底の溝に沿って上方に噴き上がり、対流を促進。釜底からのこれら2つの熱対流の効果により、釜内の温度ムラを抑えて98℃以上の高温状態をより均一に維持できるとしている。

また、ほとんど水がなくなった炊き上がり直前の時には、ごはん粒の間に熱の通り道をつくり、米一粒一粒の芯まで熱が伝わり、ふっくらと仕上がるという。

蒸気キャップ。片手でカチっと簡単に外せる

蒸気キャップは2箇所の留め口を開けるだけで簡単に分解できる

内釜をセットした状態の本体内部。真空機能のためか、ふたの開け閉めの際は、ゴムパッキンでしっかり密着させる抵抗感が少しある

ロックで簡単に外して水洗いできる内ぶた

内釜下の構造。真ん中にふた温度センサー、外縁に温度センサーを備えている

内釜の素材は、主にステンレスとアルミ。溶けた高温のアルミをステンレスの発熱体の上から流し込み、「溶湯鍛造製法」と呼ばれる高圧で押し固める独自の製法で成型後、1品ずつ機械で丸釜の形状に削り上げられてつくられている。

さらに、外面の下半分の黒い部分は、高熱伝導素材に加え、銅の約5倍の熱伝導率のダイヤモンドと遠赤素材でコーティング。釜底で蓄えたIHからの高熱を釜上部に効率よく伝える。内側はダイヤモンドチタンコートで内釜をしっかり補強、耐用性をよくしている。

「鍛達かまど丸釜」。コロンとした丸みがかわいい。釜飯用の釜を彷彿させる

底面に設けられた「WAVE加工」。波状の凹凸によって沸騰時の細かな気泡と対流を生み出す

内釜の実測結果。1kgちょっとと女性でもなんとか片手で持てる重さだ

東芝の高級炊飯器というと、2機の真空ポンプを利用した「真空ひたし」の独自機能が従来からの特徴。米粒の中に含まれている空気を真空技術で追い出し、短時間でしっかり吸水できる他、炊飯後に内釜の中に残る余分な水蒸気を真空ポンプで排出し、ごはん表面のベタつきを抑える働きをする。

また、保温時には釜内の空気を真空機能で抜くことにより、酸素濃度を下げ、ごはんの黄ばみやにおいの発生を抑制。真空効果で水分の蒸発も防げるため、パサつきも抑えられるなど、見た目も食感も炊き立ての品質を長く維持する効果がある。

そのほか、真空装置を備えた炊飯器ならではというユニークな機能が「密封米パック」だ。同梱の専用のストックパックに米を入れ、付属のアタッチメントを本体につなぎ、パック内を真空密封できる。お米の新鮮さを保ったまま保存するという炊飯以外の一風変わったオマケ的機能だが、気が利いている。