今年もニューヨークに「SHOCK THE WORLD」がやってきた。カシオ計算機の耐衝撃ウオッチ「G-SHOCK」は、来年の2013年、堂々の30周年を迎える。大きな節目を迎えたG-SHOCKのイベント「SHOCK THE WORLD 2012」は、この高機能&タフネスウオッチの歴史と未来とをダイナミックに伝えるものであった。
時は2012年8月9日、場所はNYミッドタウン34丁目。
1906年に建てられた由緒あるマンハッタン・センターが会場だ。歴史を感じさせる薄暗いエントランスを抜けると、真っ白に輝く通路が目に飛び込む。壁一面にズラリ並ぶのは、歴代のG-SHOCKの数々だ。なんとこれらはすべて、現在も駆動中だという。
1984年に発売された「DW-5200-1」があるかと思うと、2011年に双子のデザイナー、Dee&Rickyとコラボした「GA-111DR-ZACR」の姿も。420本にものぼるG-SHOCKに埋め尽くされた、まさにG-SHOCK史の壁を抜け、展示会場へ。左に星条旗デザインのアメリカン・G-SHOCK MAN、右に日本でおなじみの黒いG-SHOCK MANがともに出迎えてくれた。
「Origin」(原点)と題されたコーナーには、1983年の「DW-5000」が。そこから始まるG-SHOCKの進化をたどり、スカイコックピットやマスターオブG、そしてトップアスリートらとのコラボモデル、Baby-G、さらに最新モデルの数々へ。
G-SHOCKの顔、アンバサダーたち
さて、アメリカでG-SHOCKと言えば、まずはタフで高機能なウオッチのフォルムを連想する。と同時に、アンバサダーの名が思い浮かぶという人も多い。アンバサダーは、いわばG-SHOCKの顔。アスリートやミュージシャン、俳優など様々なジャンルからその道の第一人者が名を連ねる。才能・人気ともに各界の世界的トップクラスを誇り、また本人もG-SHOCKのリアルユーザーであるのが条件だ。
スケートボードならスティーヴィ・ウィリアムズ、サーファーならヤディン・ニコル、BMXではナイジェル・シルベスター。そうそうたる顔ぶれに今年から加わったのが、現在カリフォルニアを拠点にプロのスノーボーダーとして活躍中の國保和宏氏だ。
「滑るときはこれ」と言う「GDF-100」をメインに、3本ほど愛用しているという。GDF-100は1万メートルまでの高度計測が可能で、気圧を自動計測する。この日はマイナス20度まで計測できる新作「G-LIDE」がお披露目し、場内の注目を集めていた。
雪山という極限状態で、限界の果てに挑むスノーボーダー。同様に、次の瞬間に何が待ちかまえているか予測不能なストリートで縦横無尽に滑るスケートボーダーにも、G-SHOCKはふさわしい。そう語るのは、スティーヴィ・ウィリアムズだ。「滑っているときも何か身に着けていたいが、常に猛スピードで動き続ける自分にとって、装着感に優れ、頑強なG-SHOCKは実に素晴らしい」。
コラボモデルも続々
この日、バナーやTシャツをはじめ、会場のあちこちで存在感を放っていた、G-SHOCK・30周年記念のロゴ。グラフィック・デザイナー、エリック・ヘイズの手によるものだ。1970~80年代、NYの地下鉄や壁に描き続けたグラフィティアートで伝説を築いた男、ヘイズ。
彼の有名な「Haze」のタギングは、それ自体がNYの風景だった。そんなNYストリート文化のパイオニアと、G-SHOCKとのコラボモデルは1998年から始まった。今回の「GA110EH-8A」で4本目となる。
ロゴのほかパッケージングも手がけるヘイズは、「G-SHOCKのイメージは、世界どこでも等しく通じる点において非常にユニーク」と語る。「無駄のないシンプルさが、普遍性につながるのです」とも。
コラボモデルはこのほかにも、ハワイのストリートブランド「IN4MATION」、ロンドンのエココンシャスなブランド「マハリシ」や、音楽×ファッションのクリエイティブチーム「CLOT」などが。中でもスノーボードのバートンとのコラボモデルの周りには、ひときわ大きな人垣ができていた。
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