Windows 8で「HD革命/BackUp Ver.12」を実行

最初に述べておかなければならないのが、執筆時点で「HD革命/BackUp Ver.12」はWindows 8への対応を表明しておらず、今回の試みはサポート対象外の操作である。確かにWindows 8はWindows 7時代のデスクトップアプリをサポートしているが、特殊なデバイスドライバーを組み込むことが多いバックアップツールが正常動作しないのは当たり前。あくまでも実験であることを踏まえて本稿をご覧いただきたい。

今回ベースとなるWindows 8は、90日間評価できるEnterpriseエディションを使用している。Windows 8やWindows 8 Proと比べると機能差はありつつも、動作が異なる点はほぼ皆無だろう。さて、「HD革命/BackUp Ver.12」のインストールだが、結果から述べれば特にトラブル回避策も必要とせず、簡単にインストールできた。

コンピューターを再起動すると、スタート画面には数多くのショートカットファイルがピン留めされた状態になる。これはWindows 8の仕様。プログラムメニューへ新たに追加されたショートカットアイコンは、スタート画面に並ぶ仕組みになっている。「HD革命/BackUp Ver.12」はWindows 8の動作を想定しておらず、このようになってしまうのは致し方ないだろう(図04~05)。

図04 インストール自体は無事完了した

図05 スタート画面に並ぶショートカットファイル群

それではバックアップを実行してみよう。今回は前述したようにディスク全体を対象にしたフルバックアップを実行する。おなじみのウィザードは配色がおかしくなっているが、動作自体は順調だ。ただし、バックアップファイルの保存先を検出するロジックがWindows 7とWindows 8では異なるのか、誤認識する問題が発生した。もっともダイアログボックスを閉じれば、ウィザードを先に進めることはできたので、大きな問題とは言えないだろう(図06~07)。

図06 Windows 8でも「ドライブのバックアップ」は実行可能

図07 ウィザード実行時に現れたエラー。「OK」ボタンでダイアログボックスを閉じれば続行できた

バックアップは無事完了し、指定したドライブにバックアップファイルも正しく作成された。バックアップファイルのマウントも問題なく行えることを踏まえると、一部気になる点があったものの、おおむね問題なく動作すると述べても間違いはないだろう(図08~11)。

図08 問題なくバックアップは実行された

図09 バックアップファイルも作成された

図10 バックアップファイルをマウントするツールを起動

図11 Zドライブにマウントした結果。問題なく動作する

その一方で復元機能は正しく動作するだろうか。こちらも検証することにした。 「HD革命/BackUp Ver.12」のCD-ROMからコンピューターを起動し、Windows PE(Preinstallation Environment)上で動作する環境で復元作業を行うが、こちらも拍子抜けするほど問題は発生しなかった。もちろん何らかの障害が発生するとしたら、Windows PE環境の問題なので、OSがWindows 7だろうとWindows 8だろうと大差ないのは当たり前である。復元後のWindows 8起動も確認し、ひとまずWindows 8でも「HD革命/BackUp Ver.12」が動作することを確認できた(図12~13)。

図12 Windows PE環境上で復元操作を実行中。特に問題は生じなかった

図13 復元後のWindows 8も無事起動した

今回は「HD革命/BackUp Ver.12」が備えるすべての機能を検証した訳ではなく、前述のようにフルバックアップ機能と復元機能を検証したに過ぎない。お使いの環境によっては予期しないトラブルが発生する可能性もあるだろう。個人的にはWindows 8への対応をしながらも、使い勝手をより向上させ、機能的な強化を行った次期「HD革命/BackUp」を期待したい。

もっとも「HD革命/BackUp Ver.12」は2012年3月にリリースされたばかりであることを踏まえると、Windows 8への対応はアーク情報システム社内の検証を経て、アップデータが公開されるだろう。少なくとも今回の検証により、Windows 8にアップグレードした後も、同製品によるバックアップ/復元環境を維持できるのが明らかになた。現在同製品をお使いの方も今後同製品によるバックアップ環境を構築しようと思案中の方もご安心いただきたい。