開業当初の頃は、原価も安く日本人好みの味わいを持つUS牛の中落ちカルビを使用。この頃は薄利ながらも黒字商品だったのだが、BSE騒動でUS牛の輸入がストップ。オージービーフの中落ちカルビに切り替えた。US牛解禁後はUS牛に戻したものの、生後20カ月以下の牛に輸入が制限されたため、どうしても以前より成熟度が低い牛肉しか使用できない。そこで味の低下が問題となり、2012年1月からは、直営店で試験的に黒毛和牛のバラ肉の使用を開始。お客からの評判も高かったことから、3月より全店で黒毛和牛に切り替えた。
現在九州産をメインに、大手卸しを通して仕入れている。よりよい食材を探すうちに原価は上昇。今では「黒毛和牛カルビ」の原価率は160%に達している。しかし、宣伝効果も高いことから、なんとか提供をし続けているのだという。
居抜き物件での出店
もう一つの安さの秘密は、店舗の出店方法にある。基本的に居抜き物件を選んで出店するため、初期投資額が大幅に削減される。その分食材に原価をかけ、より魅力的なメニューをつくりあげることができる。
100円焼肉以外のメニューも安全性とおいしさ、低価格にこだわっている。焼肉用の肉類は、衛生基準を満たした専門業者からサクどり状態で店に仕入れ、店で一口大にカットして提供。ブロック状で仕入れる素材もあるが、その場合保健所の指導に従い、衛生面に留意して処理する。最近は食べ放題メニューの導入も進めており、「渋谷道玄坂店」では「黒毛和牛カルビ」を含む20種類以上のメニューを食べ放題で提供。90分2,079円とこちらもお値打ち価格。平均客単価は1,800円で、メニュー全体の原価も42%~44%となっている。
幅広いお客の支持を得て、業績好調という同社。今後は8店舗を展開する名古屋、2店舗展開の東京を中心に、積極的に出店を進めていく予定だ。