「百えん屋」と聞いて、「100円ショップ? 」と思う人もいるかもしれない。この店、実は焼肉店の店名である。その名の通り、100円(税込105円)の焼肉メニューが評判の人気焼肉チェーンだ。正式店名は「焼肉処百えん屋」。1994年に創業し、名古屋を中心に成長を続けてきた。2009年には関東に進出。渋谷道玄坂店、恵比寿西口店の2店舗を出店し、安さと品質の確かさが好評で若者から家族客まで、幅広い客層に支持されている。

店舗展開は初期投資の少ない居抜きが基本。「渋谷道玄坂店」も居抜きだが、スタイリッシュな雰囲気で、女性客が7割を占める。個室からカウンター、ソファー席等、様々な席が揃う

100円の焼肉メニューは5種類

東京・渋谷の繁華街ど真ん中に立地する「百えん屋 渋谷道玄坂店」は、場所柄を考え11時から翌10時までの23時間営業。立地や価格設定により、高校生も来店するという。

フードメニューは120種類を取り揃えており、イチオシの100円(税込105円)の焼肉メニューは5種類。その中には、なんと黒毛和牛を使った「黒毛和牛カルビ」も含まれているというから驚きだ。黒毛和牛は、財団法人公衆衛生検査センター等で全頭検査済みのものを仕入れており、安全性も折り紙つき。注文率は実に9割以上というまさに看板商品である。

100円(税込105円)の焼肉メニューは、「黒毛和牛カルビ」「とんちゃん」「牛レバー」「とりもも塩こしょう」「とり皮塩こしょう」の5商品。今年より黒毛和牛に切り替えた「黒毛和牛カルビ」はバラ肉を使用し、1皿70gを盛り込む。原価率は160%!

「なぜこの価格が維持できるのか」。誰もが疑問に思う点を、有限会社えんや本部長・門脇有治氏にお聞きした。「焼肉は日常的な食べ物ではなく、イベントで食べるものでした。それを『リーズナブルに食べてもらいたい』と考えたのが『百えん屋』の原点です」。その理念に従い、焼肉店で一番人気の高い牛カルビを1皿100円で提供し続けてきた。しかし、牛肉の仕入れには時代によって様々な困難が伴い、同社では色々と素材を変えてきたという。

「いまの時代、コストパフォーマンスと安全は当たり前」という有限会社えんや本部長・門脇有治氏。安全性とおいしさ、安さを追求し続けてきた