富士通のこだわり機能 その1

ARROWS Aには他のスマートフォンにはない、富士通こだわりの機能がふたつ搭載されている。ひとつはセキュリティに関するもの。端末の背面に搭載したセンサーを指でなぞることで、ロック解除ができるようになっている。この「スマート指紋センサー」により、ユーザーはパターン入力やパスワード入力を行う手間から解放される。

スマート指紋センサーの利用イメージ。アプリ起動の際に指紋認証機能を起動させることもできる

指紋認証に用いる指は、2本から最大10本まで登録することができる。それぞれの指で、端末背面にあるセンサーを3回ほど撫でれば登録が完了する。実は使用前、個人的には指紋認証の必要性については疑問を抱いていた。従来のパターン認証やパスワード認証に何の不満も感じていなかったからだ。また、指紋認証の精度についても半信半疑だった。

指紋認証する様子。慣れないうちは、何度か上のカメラレンズをなぞってしまった……

ところが利用してみると、これが非常に便利だった。スリープ状態から復帰する場合を例にとると、スマート指紋センサーを1回押してスリープから復帰し、さらに認証のために同じ指でセンサーをなぞる、この2回のアクションだけでロックを解除できるのだ。精度についても申し分のない印象。試しに右手親指と右手人差し指だけ登録した後、右手中指や他の指でロック解除を試みたが、何度やってもログインできなかった。

また、他人の指を交えて登録することも可能だった。これにより例えば中小企業などで、複数人でARROWS Aをセキュアに使い回すこともできるだろう。さらに余談になるが、足の指でも問題なく認証できた。ロック解除は1日に何十回と行うものなので、手軽かつ安全に利用できるというのはありがたい。そういったわけで、この指紋認証機能は本製品の非常に大きなアピールポイントになっていた。

富士通のこだわり その2

本端末の特徴的な機能、ふたつめは通話品質を向上させるもの。周りの騒音を検知すると相手の聞こえにくい声を強調して聞きとりやすくする「スーパーはっきりボイス 3」、歩行中・走行中を検知して最適な通話音量に自動調整する「ぴったりボイス」、ユーザーの耳年齢にあわせて聴きやすい音質に自動調整する「あわせるボイス」、相手の声をゆっくり聞こえるようにする「ゆっくりボイス」、周囲の騒音を検知すると自動的に雑音を抑えて自分の声をクリアな音声で届けられる「スーパーダブルマイク」などからなる。実際に使ってみると、たしかに快適に通話ができた。これらは富士通独自の機能で、総称して「ヒューマンセントリックエンジン」と呼ばれている。ユーザー目線に立った、繊細な機能と言える。

分かりやすいユーザー・インターフェースの通話画面。はっきりボイス、あわせるボイス、ゆっくりボイスの機能は通話中に起動できる

記述の通り、富士通のこだわり機能は端末の安全および使いやすさを格段に向上させるもので、AQUOS PHONE Xxなど他社製スマートフォンとの差別化要素にもなっていた。個人ユーザーのみならず、ビジネスでの利用を考えているユーザーにとっても「指紋認証によるセキュリティの安全」と「通話品質の確保」は多くのメリットをもたらすことだろう。