2014年度は2倍のカテゴリーへ拡大、中級モデルにも展開
パナソニックが提供する今回の各種サービスを利用するには、NFCに対応するスマートフォンが必要となり、さらに、同社が運営する「クラブパナソニック」への登録が必要となる。利用するAndroidアプリ「パナソニックスマートアプリ」のダウンロードと、クラブパナソニックへの会員登録は無料だ。また、エアコンの「Xシリーズ」のみ、iPhoneからの操作も可能。それ以外のスマート家電製品のiPhoneでの対応については、「今後、iPhoneにNFC機能が搭載されれば、Android搭載スマートフォンと同様に利用できるようにしていきたい」としている。
同社では、今回の製品を皮切りにスマート家電シリーズのラインアップ強化にも取り組んでいく考え。2014年度にはシリーズ全体で260万台、売上高は2,000億円を目指すという。ラインナップについても、「2014年度には現在の2倍のカテゴリー数にまで広げていきたい。また今回は上位モデルでのラインアップとなっているが、今後は、中級モデルにもスマート家電機能を搭載し、より多くの方々に使っていただけるようにしていきたい」と中島本部長は語る。
ターゲットは小規模世帯、シニア層も重視
パナソニックがスマート家電のターゲットとするのは、一般家庭の中でも小規模の1人~2人暮らし世帯になりそうだ。現在、日本国内では世帯員が2人以下の世帯が半数以上を占めている。この背景にはシニア層の広がりが見逃せない。
パナソニック アプライアンスマーケティングジャパン本部の原昭一郎本部長は、「シニア層や1人暮らしの人が、家電製品とコミュニケーションを取りながら楽しく利用できる環境も提案していきたい」と語る。
同社が6月から発売しているスマート家電のスチームオーブンレンジおよびスチームIHジャー炊飯器では、50代/60代の購入者が全体の2割を超えており、「当初の予想よりも比率が高い。シニアだからといって、スマートフォンが使えない、スマート家電が使いこなせないということはない。むしろスマート家電はシニア層に最適な製品になるのではないか」という。将来的には音声認識機能などを搭載し、さらに使いやすい環境へと進化させるような姿勢もみせている。
中島本部長は、「パナソニックは数々の技術開発を通じて、業界初の家電製品を世に送り出し、お客様の暮らしに貢献してきた。今後は、暮らしをもっと楽しくする、新たな快適と利便性が求められるだろう」と前置きし、今回の発表を「80年以上の白物家電の歴史のなかで、新たな可能性を秘めた新たなステージへと切り変わる瞬間」と宣言してみせた。
パナソニックのスマート家電への取り組みはいま始まったばかりであり、スマートフォン連携だけに留まらないのは明らかだ。これからのスマート家電の進化が注目されよう。