―― SSDは衝撃にも強いので、気軽に持ち運べますよね。

岡田氏「そういった意味で、持ち運び需要が出てくるんじゃないかなと思います。HDDを持ち歩くのは耐衝撃性や故障の面で抵抗がありますので、SSDの64GBとか128GBを気軽に外付け用として使っていただくとか、NASに使っていただくとか、そういう用途が増えてくると見込んでいます。従来はHDDだったものが、どんどんSSDに置き換わってきていますので。

ガートナー調べによる(2011年3月)、2010年の世界SSDメーカーランキング

これからはUltrabookの普及で、SSDに触れるユーザーが増えるでしょう。実際にSSDの速度を体感すると、なかなかHDDには戻れないと思います。あとはコストの勝負です。128GBや256GBのSSDのコストが下がってくれば、かなりのノートPCがSSD搭載になると思います。現時点では、ノートPCのSSD搭載率は日本だと数%ですが、来年にはその数倍になり、30%くらいまで上がっていくと思っています。そこまで普及が進むと、今度は逆に『HDD搭載なの? 時代遅れだね』という感覚になるかもしれません」

―― 確かに、HDDのウィーンという動作音がなくなるだけでも快感ですよね。まるで、ガソリン自動車に乗っていた人が、ハイブリッドカーに乗ったような感覚というか。

岡田氏「今のUltrabookは、HDD搭載でもいいんですよね。薄さの基準を満たしていれば、遅くても、重くてもいい。しかしそのうち、重さや動作中の温度なども、ユーザー側で気になってくると思います。HDD搭載機は徐々に淘汰されていき、早い時期に『Ultrabook=SSD 100%』になるのではないでしょうか。

UltrabookのストレージはSSD化が急速に進んでる(写真はイメージ。デルの「XPS 13」)

それと、トータルコストの考え方、いわゆるTCOで言うとですね、SSDを使うだけで、1年間のうち3日間分が節約できるという試算があります。PCの起動と終了が高速化されるので、その差を積み重ねていくと3日分にもなるということです。それから、実際に作業している最中でも、スピード感が全然違います。ですから、これから爆発的に、コモディティが増えていくと考えています」

―― 実際に使ってみるのが一番なんですよね。SSDって。

岡田氏「そう。その通りです。日本ほど人件費が高く、生産効率が悪い国は他にありません。生産効率を上げるために、今いろいろやらなくちゃいけない。その中で、真っ先にできることは、PCの性能向上です。そのための特効薬がSSDです。部品としてはちょっと高めですが、効果はてきめん、絶対に投資コストは回収できます。自分の生産性とか、自分の能力を上げるには、早くSSDに切り替えることを強くお勧めします。PCに関しては、SSDというのは非常に安い買い物だと。そういう投資をする価値があるのがSSDです」

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