「ExpandHDF」でファイルを直接復元
最後にトラブルが発生したと仮定し、ExpandHDF機能を用いてバックアップデータから必要なファイルを取り出そう。Arkランチャーからは「カスタム機能」の「ファイルやフォルダーのバックアップファイルの内容を確認」をクリックして起動するが、「%ProgramFiles%\ARK Information Systems Inc\BackUp12\ExpandHDF.exe」を直接実行してもよい。使用頻度が高いようであれば、ExpandHDF起動後にタスクバーへピン留めした方が操作しやすいだろう。後はバックアップしたファイル(HDF形式)を開けば、ExpandHDFでバックアップ内容がエクスプローラー形式で表示される(図29~32)。
この際ポイントとなるのが、復元対象となる世代設定。増分形式でバックアップを行っている場合、復元する世代選択が可能となる。ここで誤った操作を行うと古いファイルを復元対象としてしまうので注意して欲しい。また、ここで操作対象となるのはファイル/フォルダーの抽出のみであり、バックアップデータにファイル/フォルダーを追加もしくは削除することはできない。
後は復元対象となるファイル/フォルダーを選択してから「復元」ボタンをクリックするか、「編集」メニューの「復元」を選択すれば復元操作を行うダイアログが現れる。事前に復元先となるフォルダーを選択してから「復元を開始」ボタンをクリックすれば、バックアップデータから必要となるファイル/フォルダーを抽出することが可能だ。なお、復元するファイル/フォルダーが少ない場合は、直接デスクトップへドラッグ&ドロップした方が簡単だろう(図33~37)。
この他にも「HD革命/BackUp Ver.12」には、フルバックアップデータファイル(HDZ形式)を仮想ドライブとしてマウントする方法や、同ファイルをWindowsの標準バックアップツールや仮想マシンとして使用するVHD(Virtual Hard Disk)形式ファイルはもちろん、VMware Playerで使用するVMDK形式ファイルに変換する機能が備わっている。
特にVHD形式ファイルはWindows 7ならカスタマイズを施すことで、Windows 8は標準機能でマウントできるため、バックアップデータの再利用は容易だろう。なお、変換方式はインデックス情報をいくつか書き換えるだけらしく作業は瞬時に済む。
このように「HD革命/BackUp Ver.12」を用いれば通常のフルバックアップだけでなく、必要なファイル/フォルダーだけを対象にした定期的なバックアップも可能だ。他にもオンラインストレージを併用し、バックアップデータを共有対象のファイルに含めれば、バックアップデータの冗長化も容易に実現できる。柔軟なアイディアとちょっとした手間をかけることで、パソコンの安全性を高めることは可能だ。是非「HD革命/BackUp Ver.12」を活用して、快適なバックアップ環境を構築して欲しい。