アラバスタにはサー・クロコダイルやミス・オールサンデー(ニコ・ロビン)、Mr.1ダズ・ボーネス、Mr.2ボン・クレーなどの衣装を展示。"盆暮れ"も捨てがたいが、特にサー・クロコダイルのコートは作りこみがハンパじゃない。クロコダイル戦での石表情が立体化されていたことにしてもそうだが、これら基本的に展示されているものにはもともと正式な図面がないのだ。「アニメのひとつひとつのシーンから、立体的に起こしていく」「アニメの質感を出すように気をつけている」と先日制作スタッフが話していた通り、ただの立体化、立像化ではない、彼らのこだわりと熱が伝わってくる仕上がりであったことも付け加えておきたい。
そのほか、空島にはモンブランクリケットハウスやドンキホーテ・ドフラミンゴの等身大立像、神(ゴッド)・エネルVSルフィのミニチュアジオラマ、ウォーターセブン~エニエスロビーにはウソップ武具の数々が並ぶウソップファクトリー、スリラーパークには巨人族オーズ、シャボンディにはバーソロミュー・くまとゲッコー・モリアの巨大バルーンなど展示物が続々と登場。先の巨大クジラ・ラブーン、ドリーとブロギーの兜と同様に、これら巨大バルーンは、バルーンとは思えないほどの立体感と地に足の着いた存在感がある。写真で見るとそこまで大きくは見えないが、会場でじかに目にした時の迫力は圧倒的だ。
ボア・ハンコックに悩殺されるであろうアマゾンリリーやインベルタウン、魚人島や幼少期のビジュアルパネルなどまだまだ見どころは多いが、"黒ひげ"マーシャル・D・ティーチ、"白ひげ"エドワード・ニューゲートとジンベエ、センゴク率いる海軍と捕られた"火拳"ポートガス・D・エース、と各軍勢がにらみ合うマリンフォードはやはり必見。劇中の頂上決戦のテンションがそのまま伝わってくるだろう。
というように、「ワンピースグランドアリーナツアー」は写真だけでは伝わらないその圧倒的なスケール、精巧さとクオリティ、心憎い仕掛けなど本記事では語りつくせないほどまだまだ多くの魅力が詰まっている。ファンはもちろんだが、本作にまだ触れたことのない人でも、その魅力を肌で感じるには格好のイベントだ。グランドアリーナツアー限定のオリジナルグッズも豊富に取りそろえており、今年3月の「ONE PIECE展」に続く、本作の決定版イベントとなりそうだ。ぜひ多くの方に足を運んでいただきたい。
(C)尾田栄一郎/集英社・フジテレビ・東映アニメーション