IE6のレンダリングエンジンでWebページ表示するSimpleBrowser
NilBrowserの公式ページでは、もう1つブラウザをリリースしている。SimpleBrowserという、強制的にIE 6のレンダリングエンジンを使うブラウザである。これは作者自身が、Windows 7でIE 6専用のWebサイトをうまく表示できず作成したものである。作者によれば、IE 7、8、9などは互換レンダリングモードが備わっていて、IE 5、6の互換モードを持っているとのことだ。それを強制する機能を持ったブラウザが、SimpleBrowserである。それほど開発が活発というほどではないが、2012年2月に最新版がリリースしている。
こちらもインストールは、zipファイルの中身をProgram Filesフォルダ内にSimpleBrowserなどという名前のフォルダを作成し、コピーするだけである。ただし、ダウンロードしたアーカイブには、2つのSimpleBrowserが含まれている。SimpleBrowser.exeが、Unicode版で、SimpleBrowser(MBCS).exeが、Multiple Byte Character Setに対応したものである。どちらを使うかであるが、基本はUnicode版で問題ない。もし、一部のプラグイン(ActiveX)などの実行で文字化けが発生した場合は、MBCS版を使えばよいとのことである。NilBrowser Type-Rと同じくセキュリティの警告(図9)がでる。SimpleBrowserを起動したのが図17である。
この状態では、IE 6のレンダリングエンジンは使われていない。強制的にIE 5/6互換モードにするには、[ツール]→[設定]を選ぶ。SimpleBrowser Optionsダイアログが表示されるので、[IE5/6互換モードを強制する(Quirksモード)]にチェックを入れ、SimpleBrowserを再起動する。
図17と同じページを表示したのが、図19である。表示が乱れていることからも、IE 5/6互換モードが使われているのがわかるだろう。
最近では、IE 5/6互換モードで表示しなければいけないサイトはずいぶんと減ったように感じる。これまでならば、XPモードを使うくらいしか解決策はなかった。しかし、SimpleBrowserならば、非常に簡単に実現できる。ファイルサイズも、今のHDDからみれば気にする必要もないレベルだ。いざというときのために、インストールしておいてもよいだろう。