15年にわたるエプソンのGPS研究

また、セイコーエプソン Pプロジェクト部長の森山佳行氏からは、技術的な特長について解説があった。

セイコーエプソン Pプロジェクト部長の森山佳行氏

エプソンのGPS技術

エプソンはGPSの精度向上と小型化を15年にわたって追求しており、それが今回の製品に活かされているという。今回の製品開発においては、事前に市民ランナーの声を数多く聞き、要望を収集。その結果、薄型・軽量、バッテリーの長時間駆動、GPS精度の向上という、通常であれば同時に実現するのは困難な意見が集まった。

しかし、「新たなスタンダードを自分たちの手でつくる」という開発者たちの情熱により、14時間以上のGPS連続使用が可能な薄型軽量の製品が完成したという。実際にサロマ湖マラソン(100km)で使用してみたところ、10時間走った後でもまだ5時間以上の電池残量があったとのこと。

小さなバッテリーながら、14時間以上のGPS連続使用時間を実現。防水にも対応した

フラットアンテナで薄くて軽いボディを実現(写真左)。ストライドセンサー機能により、GPS電波を受信できないトンネルの中でもラップと距離の計測が可能になった

機能の詳細(写真左)。信号で止まった際に計測を中断するオートポーズ、目標ペースより速いか遅いかを表示するペースメイク機能などを搭載する

PC上でデータを管理するソフトウェア「NeoRun」は、無償で提供される。twitterやFacebookなどSNSへの投稿機能も備える

エプソン販売 取締役 販売推進本部長の中野修義氏からは販売戦略の説明があった。同社の調査によれば、現在国内のランニング人口は535万人で、そのうち趣味で走っているランナーは500万人ほどいるという。ランナーが要求するものはそれぞれ異なっており、こうした市場のニーズに応えられるように、WristableGPSは4モデルというラインナップでの提供となった。

エプソン販売 取締役 販売推進本部長の中野修義氏

WristableGPSのターゲットユーザー

販売チャネルは店頭70%、Web・通販30%という比率。百貨店、時計専門店、スポーツ店などでも販売していく方針だという。

ラインナップと位置付け

市場想定価格

市場販売台数は4万台を目指しており、初年度は2万台が販売目標だという。中野氏は「エプソンは新たな市場にチャレンジしていきます」と力強く締め括った。

WristableGPSフォトギャラリー

平野氏(写真左)と碓井氏(写真右)

イメージモデルのお二人

WristableGPSは全4モデル

マルチスポーツモデル「SS-700S」

アスリートモデル「SS-500R」

FUNランナーモデル「SS-300G」

PCとUSB接続すれば、記録したデータを転送できる

Webアプリ「NeoRun」では軌跡の地図表示や速度・勾配のグラフ表示、記録のカレンダー表示、月毎の集計など細かいデータの管理ができる

心拍数を測るために用いるハートレートセンサー。SS-700Sには標準装備される

発表会とプレゼンテーション、WristableGPSフォトギャラリーのスライドショーはこちらから →