キーボードだけでメールなどを操作する-Nostalgyアドオン
Thunderbirdを利用する際、マウスで操作をすることもあるが、メールの作成などでは、キーボード操作は不可欠となる。そのようなとき、できればキーボードだけで、Thunderbirdの操作を完結させたいと思うときがあるだろう。コマンドラインの経験のあるユーザーならば、なおさらである。Nostalgyアドオンは、シンプルな機能であるが、それを実現してくれるアドオンである。まずは、インストールであるが、アドオンマネージャの検索ボックスに「Nostalgy」と入力する。最初に見つかるだろう(図4)。
[インストール]をクリックして、インストールを行う。Thunderbirdを再起動すると有効になる。この時点で、ステータスバーに「(G)o (S)ave (C)opy」と表示される(図5)。
メッセージに関する操作には、以下がある。
- G:指定したフォルダにフォーカスを移動する
- S:選択したメッセージを指定フォルダに移動する
- C:選択したメッセージを指定フォルダにコピーする
- B:選択したメッセージを指定フォルダに移動して、移動先のフォルダに移動する
実際にやってみよう。メッセージを選択し、Cキーを押す。ステータスバーに入力欄が現れる。そこで「ローカル」と入力すると、部分一致のインクリメンタルサーチにより、フォルダの候補がすべて表示される。あとはカーソルキーで選択すればよい(図6)。
メッセージがコピーされる。と同時に、ステータスバーの表示に「[+Shift ==> ローカルフォルダ/プライベート]」などとコピー先のフォルダが追加される。このように前回に使用したフォルダを記憶しているので、Shiftキーと同時にG、S、Cのキーを押すと、前回と同じ動作をすばやく行うことができる。フォルダの履歴は、デフォルトで5つまでが表示される(図7)。
フォルダの移動で、もっとも頻繁に使われるのは、なんといっても受信フォルダであろう。しかし、フォルダの履歴が5つまでしかないと、消えてしまうことも少なくない。フォルダ候補はすべてが表示されるので、もう少し表示されてほしいと感じることもあるだろう。そこで、この表示される履歴の数を変更してみよう。アドオンマネージャを起動し、Nostalgyの[設定]をクリックする(図8)。
すると、Nostalgy Preferenceが表示される。ここで[Completion]タブを選ぶ。下の方に「Number of recent folders to remenber:」という設定項目がある。デフォルトで5となっているので、この数値を適切に変更する。ここでは10としてみた(図9)。
[OK]で終了し、フォルダ履歴を表示したのが図10である。
10個の履歴が表示されているのが確認できる。好みに応じて設定してほしい。ステータスバーには表示されないが、Bキーも便利である。コピーやセーブを行ったフォルダに処理後に移動する(SまたはCで、その後、Shift+Gを使う動作が1回で行える)。Nostalgyのその他の機能を紹介しよう。まずはペインナビゲーションである。Thunderbirdの基本画面では、3つのペインが表示される。これらに対し、以下の操作が可能となる。
- ESC + F フォルダペインにフォーカスを移動する
- ESC + M メッセージペインにフォーカスを移動する
- ESC + ESC スレッドペインにフォーカスを移動する
また、メールアドレスを入力する際に、先頭で「cc」と入力し、半角スペースを入力すると、宛先が「Cc:」に変更される(図11)。
同様に「to:」、「Bcc:」でも同じことができる。Nostalgyを使っていて、意外と便利と感じているのが、Lキーである。フォルダペインを一時的に非表示にするものだ(図12)。
こうすることで、件名などがより長く表示されてわかりやすい。再度、Lキーでフォルダペインの表示となるので、必要に応じて簡単に変更できる点もありがたい。キーバインドなどは、図9と同様に設定メニューで変更が可能である(図13)。
他のキーバインドを設定するようなアドオンなどを入れていて、重なってしまった場合などは、こちら変更すればよい。他の設定も可能であるが、デフォルトでシンプルな機能に絞っている点が好感が持てた。エディタ同様に、キーボードから手を離すのがいやだと感じているならば、試してみる価値はあるだろう。Nostalgyには、他にもメッセージの振り分けなどの機能もある。使い込めば、より便利になるだろう。