―― ユーザーの反響はいかがですか ?
尾澤氏「想定していたよりも大きな反響をいただいています。貼って剥がせるものが欲しかったという声が多いです。『紙にも貼れる』という特性を生かして、書類をコピーするときに使っていますという声も寄せられました。メモを印字したmemopri用紙を書類に貼ってコピーし、終わったら剥がすという使い方で、元の書類もきれいに保てるし、コピーした書類も見やすいという。また、のりの粘着に関することなど、まさに開発に苦労した部分も総じて高く評価していただいています」
村井氏「良かった(笑)」
尾澤氏「今回、『通常の付箋紙に足りない部分を補う』ということを意識しつつ、開発を進めた部分がありました。ですので、付箋紙に印字できる、付箋紙を全面のりで貼れると評価されているのは、やっぱり嬉しいですね。そこは今後、もっと多くの人にアピールしていきたい部分でもあります
また、テープに剥離紙がないので、ゴミが出ない点も喜ばれています。出先に持っていって利用されているお客様も多いようなんですが、書類にすぐにコメントを貼れて、不要なゴミを持ち帰る必要もないと」
―― 使い方も満足のポイントも、十人十色といった感じですね。
尾澤氏「印象に残っているのは、幼稚園や保育園で使われている方ですね。父兄と保育士さんの連絡ノートで、お昼ごはんやおやつなどを毎日、園児の数だけ保育士さんが手書きしていたそうです。そこでmemopriを使うようになって、保育士さんの負担がとても軽くなったと」
―― 履歴が99件残せて、再プリントも簡単ですもんね。
尾澤氏「そうなんです。あとはMEP-T10の手書き機能を利用して、タッチペンでイラストを描いて、園児にオリジナルシールを作ってあげたり、小学校で学習シール(編注 : よくできました。など)を作ってあげたりといった使い方もされているようです。先生ひとりに大人数のお子さんといったシーンで、とても便利という声をいただいています」
―― ちなみに、村井さんと尾澤さんの机の上には、どのモデルが置いてありますか ?
村井氏「私はUSBモデルのMEP-U10です」
尾澤氏「私はピンクのタッチパネルモデルのMEP-T10と、黒のBluetoothモデルのMEP-B10の両方を使っています。普段からすごい頻度で使っています。資料やパソコンまわりなどにペタペタと。また、複数の人と共有したい情報などがあるとき、同じものをいくつか印刷して、人の机やPC周りに貼っておくという使い方もしています」
村井氏「社内では、BluetoothモデルのMEP-B10を各人のデスクに置いて、他人のデスクの上にあるmemopriにデータを送って指示を印刷、といった使い方もしています。MEP-B10は、スマートフォンなどと最大8台までペアリングできますから」
尾澤氏「私の席の近くに若手社員がいますが、デスク上のMEP-B10から上司の指示がどんどん印刷されてきているようで、ハッとしている姿をよく見かけます(笑)」
―― メールやインスタントメッセージとは違う、新しいコミュニケーションの取り方ですね。
尾澤氏「MEP-B10の印刷で受けた指示は、適宜、デスクやパソコンまわりに貼っているようです」
―― 口頭で伝えたり、メールで送ったりしても忘れてしまう可能性がありますが、日常生活の中で自然と視線の中に入ってくる情報は、訴えるものも違いますよね。
尾澤氏「そうなんですよね。memopriで印刷すると小さな文字でも読みやすいですし、3行まで印刷できるので多くの情報を盛り込めますし」
―― ユーザーの要望としては、どんなものが寄せられていますか。
尾澤氏「テープの色や、柄が付いたテープを増やしてほしいといった声がありました。色や柄のリクエストは多くが女性からですね。電池で動くモデルを増やしてほしいという要望もありました」
村井氏「コンパクトにしたいという意図やコスト面、印刷速度との兼ね合いなどもあり、電池対応は現状ではMEP-T10だけになります。MEP-T10は単3形乾電池×4本で動作して、テープ2巻(5m×2)の印刷が可能です」
―― 私も、MEP-B10モデルは充電式バッテリーだったらスマホと一緒に持ち歩けて良いなぁと思いました。
尾澤氏「モバイルで使えるようになりますからね。(村井氏をチラリと見やって…)村井が要望を書き留めていますので(笑)。今回、多くのお客様に『こんな製品を待ってました』と言っていただいていますし、文具大賞の優秀賞も受賞したので、なんとか後継機種で実現したいですね」
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今回の取材を終えて、今後のmemopriシリーズに大きな期待を感じた。冒頭で述べたように、memopriシリーズには「MEP-T10」、「MEP-B10」、「MEP-U10」という3モデルがあり、MEP-B10は第21回日本文具大賞の優秀賞を受賞している。各モデルの違いなどは、カシオ計算機のWebサイトや、レビュー記事『メモが苦手な人はぜひ。スマホからでも手書き文字でも手軽にメモ印刷 - カシオの電子文具「memopri」』を参照いただくとして、まずは会社のデスクや自宅に1台おいて、使ってみてはいかがだろうか。日々の仕事やライフスタイルに、大きなブレイクスルーをもたらしてくれるかもしれない。