「注文何にする~?」とのんびりした口調で尋ねられたので、メニューを見せてもらうことに。そこに並んでいたのは、「ガングロイケ麺」(1,200円)「ハチ公(わんこ)そば」(3,000円)「日サロ★ロック」(1,350円)などの個性的なメニューの数々! メイドカフェのメニューも大概おかしいのですが、ギャルカフェも負けていませんね。値段は……コンセプトカフェということを考えると、まあこんなもんじゃないでしょうか。

ガングロイケ麺。要するに焼きそば

ハチ公(わんこ)そばはショットグラスに入ったそばを1分間で何杯食べられるかを競う。過去に20杯食べた人がいたらしい

何を頼むか悩んだのですが、名前の面白さで「日サロ★ロック」を、人気フードメニューということで「デカメライス」(1,200円)を頼んでみました。

「日サロ★ロック」はカルーアを使ったカクテルにアイスとアポロチョコレートをのせたもの(左)。デカメライスはギャルのシンボルであるつけまつげ付きの瞳をケチャップで描いたオムライス

さっそく注文の品を作り始めたスタッフの女の子。その様子がほほえましくて、「がんばって!」と声をかける筆者。普通の店では絶対にありえないやり取りがそこにはありました。ちなみに「日サロ★ロック」と「デカメライス」、共においしかったです。

お酒メニューも充実。すごく高いシャンパンもある

"普通の女の子"のナチュラルさが新鮮

びっくりしたのは、スタッフの女の子が「わたしも何か飲んでいい?」とさらっと尋ねてきたこと。「いいよ」と言うと、「やったー」とパインジュースを注いで飲み始めました。この"お客さんが女の子に飲み物をおごってあげる"というのは、他のコンセプトカフェではなかなか見ないシステム。これがギャルのノリなのでしょうか……。カルチャーショック受けまくりです。

壁には面白張り紙がたくさん

こんなところにカンペ(?)が。お客さんを見送るときは「ちょりざーす」らしい

その後、スタッフの女の子にいろいろと話を聞いてみました。「別のバイトの話」とか、「ギャルの必須アイテムの話」とか、「109に入っている好きな洋服店の話」とか、出てくるのは本当に他愛のない話題ばかり。おかげで一回り以上歳の差がある筆者も特に気負うことなく、ごく自然に話すことができました。

それにしても女の子たちは本当にあっけらかんとしています。話している最中にも、「それ、今日初めて会った人に話しちゃっていいの!?」と思うような話題が、それはもう出てくる出てくる! 良い意味でプロ意識が薄いというか、メイドカフェのメイドさんに比べると、10sionの女の子は本当に"普通の女の子"という印象を受けました。作り込まれたコンセプトカフェに飽きてきたという人には、このナチュラルさは新鮮に映るかもしれませんね。

暇な時には紙にお絵描き。自由だなー

その斬新なコンセプトから、開店当初はネットで批判もあったギャルカフェ「10sion」。大半のネットユーザーにとってギャル文化は異文化なので、そうした反応は当然のことではありますが、"普段の生活で絶対に話すことのない人"と話すというのもなかなか面白いものだなぁと、今回の取材で筆者はしみじみ思ったのでした。