UAE(アラブ首長国連邦)のエミレーツ航空が7月1日から、成田 - ドバイ線にオール2階建ての最新鋭旅客機、エアバスA380を就航した。エミレーツといえば昔からサービスの豪華さで知られるが、A380は2階建てゆえに床面積が普通の旅客機の単純に2倍あり、座席アレンジも個性的。エミレーツはいったいどんな機内なのか。のぞいてみよう。

7月1日、成田空港に到着したエミレーツ航空のエアバスA380。ファースト14席、ビジネス76席、エコノミー399席の合計489席

「機内サービス」ではなく、「ルームサービス」

1階前方のドアから入るとすぐに目に入るのが2階のファーストクラスへのつながる階段。まるで豪華客船のような飛行機とは思えない重厚な造りである。それを上った2階前方に設置されているのがファーストクラス。とはいえ、通路からではシートがほとんど見えない。1席ずつしっかりしたパーテーションで仕切られており、電動で開閉するドアから出入りする、座席というより"個室"のようなつくりだからである。

写真左は機体前方の重厚感のある階段。ここを上がればファーストクラス。写真上は「完全個室」のファーストクラス

このファーストクラスは、シートがフルフラットのベッドになるのは当たり前で、マッサージ機能も付いている。映画などのエンターテインメントを楽しむデジタル・ワイドスクリーン・テレビの画面は23インチ。ドリンクや軽食が用意された電動式ミニバーもある。そのため、このクラスには「プライベート・スイーツ」の名が付され、CAのサービスは「機内サービス」ではなく「ルームサービス」と呼ばれる。まるで高級ホテルのような内容だ。食事のオーダーは好きなときにでき、ロイヤル・ドルトンのボーンチャイナ、ロバート・ウェルチのシルバーと食器にもこだわりを見せる。

23インチのスクリーンの他、ランプや軽食、ライト付きの化粧鏡も

ミニバーとコントローラー(写真手前)。コントローラーはワイヤレスでタッチスクリーン機能付き。エンターテインメントの操作、食事のオーダー、リクライニングの調整もこれ1台で

ベッドにしたときのシート。コート専用クローゼット、ノイズキャンセリングヘッドフォン、ワークデスク、PC用電源、デュアルUSBポート、衛星電話完備

食事もレストランのような雰囲気で楽しめる

アメニティもプレミアムなシャワー・スパ

アメニティはエミレーツ・グループのプレミアム・スパ・ブランド「タイムレス・スパ」のオリジナル。ブルガリの香水も常備

ファーストクラスの乗客にはシャワースパも設置。シャワールーム、洗面台、脱衣場、トイレを併設する機内とは思えない「スパ」で、床暖房まで完備。アメニティはエミレーツ・グループのプレミアムなスパブランド「タイムレス・スパ」のオリジナル製品だ。

シャワースパで旅の疲れを癒し、高級シャンパンと料理を味わい、座席で横になりながら23インチのスクリーンでエンターテインメントを楽しむ。数あるファーストクラスの中でも、世界で最も贅沢に過ごせる空間の1つだ。

シャワースパは2基設置。シャワールーム内には温水コントローラーとタイマー、床暖房完備。さらに、大理石の洗面台や脱衣場、トイレも併設