NHN Japanは7月3日、同社が提供するスマートフォンアプリ「LINE」についてのカンファレンスを開催。ソーシャルネットワーク性を強化する新機能、KDDIとの業務提携などを発表した。コミュニケーションツールからプラットフォームへと変貌を遂げようとしている「LINE」は何がどう変わるのか。ここではカンファレンスの内容をもとに詳しくみていこう。
価値あるプラットフォームの条件
NHN Japan執行役員の舛田氏は、LINEをプラットフォーム化するにあたり、「価値のあるプラットフォームの条件」として「大規模なユーザーベース」「そこにサービスが効果的につながっているか」「その場が収益化できるか」の3点を挙げ、LINEはそのすべてを満たしていると強調する。
具体的には「LINEには4,500万人のユーザーがおり(ユーザーベース)」「LINE CAMERAやライン公式アカウントなどのサービスが大ヒットしており(サービス)」「有料のスタンプを販売したところ、2カ月間で3億5,000万円の売上を達成した(収益化)」とのことで、これらの実績を引っさげてプラットフォーム化に踏み切ったというわけだ。
プラットフォーム「LINE Channel」とは?
「これまでは人と人をつないできたLINEが、これからは人と人、そしてコンテンツをつないでいく」と、LINEの新たな方向性を示した舛田氏。ではプラットフォーム化とは具体的にどういうことなのだろうか。
そこでLINEが新たに取り組むのが「LINE Channel」である。
これは、LINEユーザー本人、およびLINE上でつながっている友人と一緒に楽しむことができる連携アプリ・サービスを集約したプラットフォームサービスのことだ。
コンテンツには、たとえば「ゲーム」や「占い」、「クーポン」などがあり、ユーザーはこれらの有料コンテンツを「LINEコイン」と呼ばれるLINE内での仮想通貨を購入して利用することになる。アプリについては、当初は自社開発アプリのみとなるが、今後は外部パートナー向けにAPIを公開して様々なコンテンツを提供してもらい、スマートフォンにおける新たなエコシステム(経済圏)を築くことを目指すという。
プラットフォームを軸に広がるコンテンツ
コンテンツの中身をもう少し詳しく見ていこう。
まず「LINE Game」。これはLINEでつながっている友人と共同で楽しむネイティブアプリ(iOS・Androidで公開されており、LINEと連携できるアプリ)形式のゲームサービスで、7月上旬頃から「Birzzle」をはじめとする人気タイトルを第一弾として提供する。
また、初期参加企業には「スクウェア・エニックス」や「タイトー」「コナミデジタルエンタテインメント」などの大手ゲームメーカーが顔をそろえており、先行するGREE、モバゲーといったゲームプラットフォームにどこまで食い込めるか注目したいところだ。
次に「LINE トークノベル」。これはトーク画面内にてダイアログ形式で読み進めるテキストノベルで、第一弾として6月27日より小説「リフレイン」を配信している。すでに講談社からのコンテンツ提供が決定しており、8月をメドに新作品を公開していく予定だという。また舛田氏は、「ケータイ小説がケータイ小説家を生んだように、我々としてもLINEトークノベル作家を生んでいきたい」と将来の展望を語った。
続いて「LINE Fortune」と「LINE クーポン」。「LINE Fortune」は、LINE公式アカウント内にある「LINE占い」を発展させたコンテンツで、「LINE クーポン」はリクルートのホットペッパーと連携したクーポンサービスとなる。
最後に「LINE サウンドショップ」。これはスタンプショップの拡張版で、レコチョクとの連携による音楽コンテンツ。LINEコインを利用して「着うた」や「着信ボイス」を購入し、着信音に設定したり、スタンプとして使うことができるという。
このほかにも、「LINE Search」や「LINE Q&A」「LINE News」「LINE Location」「LINE Shopping」「LINE Gift」「LINE Comics」「LINE Books」「LINE Music」といった様々なサービスを今後リリースしていくとのことで、舛田氏は「LINEはスマートフォンユーザーにとってのポータルとして存在していく」と、LINEが目指す方向性を示した。