都会でもフィヨルドは身近な存在
ノルウェー第2の都市、ベルゲンは漁業でにぎわう港町。13世紀末にハンザ同盟の拠点となった波止場があり、商人・職工たちが集まってできたブリッゲン地区は世界遺産に認定されている。最近では、世界各国からクルーズ船が立ち寄る港となっており、「北欧のモナコ」と呼ばれ、観光客が増えてきているという。
ベルゲンにはおいしい魚介類を売る魚市場があり、毎日にぎわっている。ここの魚市場については、またあらためて紹介することにしたい。
ここはフィヨルドクルーズのスタートまたはゴール地点であり、遠くにフィヨルドも確認できる。ベルゲンの市街地からフロイエン山までケーブルカーが通っており、山頂からはベルゲンのすばらしい街並みを見ることができる。訪問日はあいにくの天気だったが(ベルゲンは雨が多いことでも有名)、天気に恵まれればすばらしい絶景を望むことができるだろう。フロイエン山へは歩いて上ることも可能なので、徒歩でベルゲンの街の眺めを満喫しながら上ってみるのもいいかもしれない。
もうひとつ、「穴場」として紹介したいのがベルゲン要塞からの眺めだ。ここではベルゲンを囲む山々の斜面を埋め尽くすかのごとく建物が並ぶ様子を見ることができる。まるで「おもちゃの町」のような景色だ。ベルゲンと周囲の山々との近さをあらためて実感する。
アールヌーボー調の街並みがすばらしい港町、オーレスンも、周囲はフィヨルドに囲まれている。
人口約3万人と小さな町だが、複雑に入り組んだ景観はベルゲンとはまた違った魅力がある。すぐそばに真っ白な雪を被った山々が並び、それらの風景を映し出す水面が美しく光る。川のように見えてもじつは海であり、展望台から眺めることで複雑な街の形状を確認できる。フィヨルドを巡る旅ではオーレスンにも立ち寄り、美しい景観をゆっくり満喫してほしい。
初めて訪れたノルウェーの地は、その圧倒的な自然を前に、毎日が驚きの連続だった。日本にもたくさんの自然が残されているものの、ノルウェーの自然は日本のそれとはまったく異なるものがある。自然の雄大さ、美しさ、パワーに圧倒させられる旅だった。
次回はノルウェーのホテルを紹介。長期滞在に最適なスパのあるホテル、長い歴史を持つホテルなど、日本にはないホテルの魅力をレポートしたい。