北欧のノルウェーは雄大な自然に抱かれた国だ。これから3回にわたり、ヨーロッパの他の国々にはないノルウェーならではの魅力を紹介していく。今回はこの国の代名詞ともいえるフィヨルドを紹介。当たり前のように日常に溶け込む大自然の姿は圧巻だ。
入り組んだフィヨルド。断崖絶壁は1,000mを超えるものもあり、水深も深い |
フィヨルドに囲まれたガイランゲルの街。ここから世界遺産フィヨルドクルーズが始まる |
ヨステルダール氷河国立公園の中にあるブリクスダール氷河。圧倒的な迫力! |
目の前に迫る1,000m級の断崖絶壁に圧倒!
フィヨルドは氷河によって形成されたU字谷が沈水して形成されたもので、寒帯の地域にて形成されることが多い。湾の入り口から奥まであまり幅が変わらず、非常に細長い形状の湾を形成するのが特徴。湾奥以外は断崖絶壁となっているところも多く、両岸ともに1,000mを超える断崖絶壁もあるというから驚きだ。断崖に挟まれた湾の水深も深い。
ノルウェーには数多くのフィヨルドが存在し、西側には世界遺産のガイランゲルフィヨルドやネーロイフィヨルド、ノルウェー最大のソグネフィヨルドなどがある。中でもガイランゲルフィヨルドは、「最もフィヨルドらしい景観」と称される。
このガイランゲルフィヨルドを巡るクルーズが大人気。約1時間のクルーズの間、目の前に迫る1,000m級の断崖絶壁に圧倒され、目が離せない。すばらしい自然を満喫できる。真夏になると、この世界遺産を巡るために、世界各地からたくさんの人々がノルウェーに集まってくるという。
フィヨルドを作ったとされる氷河も、ノルウェーでは多く見ることができる。そのひとつ、ブリクスダール氷河では、すぐそばまで大きな氷の塊が迫り、その巨大さに驚かされる。この水色に光る氷河がフィヨルドを形成してきたのだ。ここはフィヨルドを巡る際にはぜひ見てほしい場所だ。その迫力は言葉も出ないほどだった。
ノルウェー国内では、人々の生活においてフィヨルドは身近な存在になっていると言っても過言ではないかもしれない。
移動中のバスや電車の中からも、断崖絶壁と青々とした海がおりなす風景を間近に見ることができるからだ。観光客の立場からすれば、圧倒的なフィヨルドの風景に毎回びっくりさせられるし、目を離す暇もない。
列車でフィヨルドの楽しさを味わうならフロム鉄道がおすすめ。ソグネフィヨルドの沿岸、標高2mのフロム駅から出発するこのレトロな鉄道は、急勾配の山間部をスイッチバックなしで進む。約60分かけて20のトンネルを通過しながら上り、到着したミュールダール駅はなんと標高865m! 乗車中、車窓からノルウェーの自然も存分に堪能できる。
途中のショース滝はフロム鉄道の観光名所となっていて、写真撮影の時間も設けられた。今回はまだ寒いこともあって水量が少なかったものの、夏になって雪解け水で水量が増すと、大迫力の滝を見ることができるという。