秒間30コマという高速連写もまた、ハイスピードエクシリム ZRシリーズのお家芸だ。先に挙げたテレビ番組で「超高速ピッチングマシンが放つ球を撮影する」という難題に、西坂氏がこの高速連写をもって挑戦したのは記憶に新しい。
さて、今回の被写体は子どもたち。メリーゴーランドやジェットコースター、ゴーカートなどのアトラクションで楽しむ子どもたちの、生き生きとした表情を切り取るというのが最大のテーマだ。と書くと、なんとなくたやすそうにも思えるが、決して一筋縄ではいかない。ピッチングマシンが発射する球ほどではないにしろ、アトラクションのスピードは想像以上に速く、しかも子どもたちの表情をしっかりと狙うにはズーミングが必要で、相対的なスピードはさらに速くなるからだ。
そこで、1,610万画素を維持しながら秒間30コマを連写するZR300が真価を発揮する。ちなみに、高速で移動するアトラクションの場合、顔のアップを撮ろうとすると画面の中で被写体を追うのが難しくなるため、ズームはやや引いた状態にしておくのがベターだ。また、回転系のアトラクションでは、わが子のやや前に位置する目印(椅子の色や乗り物の形など)を決めておくのもコツ。アトラクションの動きをよく観察して、わが子が通過する大まかな位置を見つけてシャッターボタンを半押しした状態で待ち、目印が画面の中を通過したら、一気にシャッターを切る!
「ジェットコースターは必ず決まった場所に来るので、置きピン+連写で撮りましょう」との西坂さんのアドバイスを得て、挑戦開始! |
こんな子どもたちの表情を残しておきたいと、親なら誰もが思うはず |
アップだけでなく、全体が入るように撮っておくと、雰囲気が分かっていい思い出になる |
秒間30コマの恩恵は、被写体をフレームインさせること以外にもある。例えば、子どもたちは、自分にカメラを向ける父親、母親に満面の笑顔で手を振ることだろう。しかし、この手の動きが、子どもたち自身の顔を隠してしまう瞬間があるのだ。しかし、ZR300の高速連写なら、顔がしっかり写った写真を選ぶことができる!
構図もピントもバッチリ! …なのに、手の動きで顔が隠れてしまった。目押しの一発撮りには、こんな難しさもある |
高速連写なら、その数コマ前後の写真を選べばOK。このように、高速連写はさまざまな要素の確実性を担保してくれる |
高速連写の秘密兵器「パスト連写」とは ?
木々の隙間から望遠での狙い撃ちを余儀なくされるジェットコースターのように、シャッターチャンスを予測できない被写体を撮りたいなら「パスト連写」がオススメ。これは、シャッターボタン半押し時、常に一定のコマ数をカメラがメモリキャッシュしておき、シャッターボタンが押された瞬間、そのキャッシュされていたシーンも含めて高速連写/記録する機能だ。
パスト連写でも記録できる枚数は最大秒間30コマで、このうち何コマをキャッシュするかが設定できる。被写体の速度が速いほど、キャッシュ分のコマを増やしておくといいだろう。野球のバッティングや、ゴルフのショットの瞬間を撮影するといったシーンでも有効だ。
最高速110km/hを誇る、よみうりランド屈指の高速アトラクション「バンディット」。この撮影はさすがに難しいか!? |
…と思いきや、高速連写やパスト連写でこんなにキレイに! 人物の顔にはモザイクを入れているが、実は乗客の顔までクッキリ! 恐るべしZR300!! |