ドコモブースでは、カスタマイズによってFeliCaとNFCを両方搭載した「SH-12C」を使ってデモを行っており、NFCリーダー/ライターにかざして紐付けられたクレジットカードでの支払い、FeliCaリーダー/ライターにかざしてiDでの支払いを1台で行っていた。これは、FeliCaとNFCに対応したチップを端末に内蔵し、セキュアエレメントをSIMカード内に保存することで実現しており、ドコモでは年末までにこうした端末をリリースしていく意向で、「世界で使える端末」を提供したい考え。
海外ではNFCが主流になるとみられているが、FeliCaを採用する地域があれば、そのローミングを行うことで、国内外でおサイフケータイが利用可能になる。海外端末でもNFCとFeliCaを同時に搭載する可能性もあり、世界規模で「おサイフケータイ」が実現することになる。
ドコモとKTでは、中国のチャイナモバイル(中国移動通信)とも提携し、日中間でのNFCサービスのローミングを実施し、「NFCゾーン」を構築していきたい考えだ。中国ではまだNFCサービスは立ち上がっていないが、MAEでもKTらがNFCに関するカンファレンスを実施。NFCの将来展望とメリットをアピールしており、今後中国でのNFCの拡大が期待されている。
KDDIは、GSMAブース内にNFCサービスのデモを展示。これは韓国SK Telecomと共同で行ったもので、NFCタグに端末をかざすと、例えばチケットを購入できたり、紐付けられたクレジットカードを使って支払いを行ったり、といったことができるようになっている。基本的にはドコモのデモと同様のサービスで、今後韓国と日本の間でのローミングも実施していく、という。中国の事業者との連携も図る意向だという。
中国市場に食い込むNEC、初のスマートフォン
NECブースでは、同社が中国で展開を始めているクラウドソリューションが中心。その中で、これまで中国内で提供していたAndroid搭載タブレットの「クラウドコミュニケーター」に加えて、今年3月からは初めてのスマートフォンとして「NEC909e」を発売している。ベース端末はNECカシオの「G'zOne IS11CA」で、「広く普及というよりも、特定の一部の人に深くささる」(同社)ことを目指して発売した。また、一般への普及を狙ったというよりも、独自の防水防塵機能に加えて、クラウドサービスのクライアント端末としての位置づけを想定しているという。
このほか、2月にスペイン・バルセロナで開催された「Mobile World Congress 2012」でも出展されていた、2画面搭載スマートフォン「MEDIAS W」、薄型防水スマートフォン「MEDIAS X」の参考展示もされており、中国向けにアピールしていた。
教育向けのソリューション |
こちらはFDD-LTE対応のスモールセル(下)。上のiPASOLINKは、光回線がないような国で利用する場合に使われる。中国向けにTD-LTE対応のスモールセルも開発しており、来年にも提供したい、としている |
(記事提供: AndroWire編集部)