中国・上海でモバイル関連の見本市「Mobile Asia Expo 2012 (MAE 2012)」が開催されている。同イベントは、昨年まで香港で開催されていた「Mobile Asia Congress」が場所と時期を変え、装いも新たに実施されたもの。香港時代に比べて規模も拡大しており、お膝元の中国ベンダーを始め、日本からもNTTドコモやNEC、KDDIが出展していた。
ドコモ、KDDIがNFCを推進、中国市場にアピール
NTTドコモブースでは、中国語にも対応した「通訳電話」サービスや、これまでもさまざまなイベントで出展しているスマートフォンに装着して体脂肪計や急速充電池となるジャケット、「環境センサーネットワーク」などを中国向けにアピール。
その中で注目されていたサービスの1つがNFCだ。NFCは、おサイフケータイで採用されているFeliCaを含めた非接触ICの上位規格で、FeliCa(NFC-F)以外にNFC-A、NFC-Bという規格がある。国内ではFeliCaがインフラ化しているが、海外ではNFC(-A/-B)を普及させようという動きがあり、MAEの主催でもある携帯関連の業界団体「GSMA」もこれに力を入れている。
その中で日本では、従来のFeliCaに加えてNFCを端末に内蔵することで、国内ではおサイフケータイ、海外ではNFCを使えるようにしていく方針を示している。ドコモ、KDDI、ソフトバンクの3社はモバイル非接触ICサービス普及協議会を立ち上げて検討を進めており、すでにKDDIがNFCを使ったサービスを商用化。ドコモも、年内をめどにサービスを立ち上げていく意向だ。
ドコモでは、FeliCaとNFCの両方を搭載した端末を提供し、国内外で使えるようにしつつ、さらに海外のNFCサービスとのローミングも検討。すでに韓国でNFCサービスを提供するKTと提携し、実証実験を始めている。これは、KTのNFCサービスユーザーが、韓国空港の出国時に設置されたNFCタグに端末を近づけると、日本の百貨店などのクーポンが配信され、日本では店頭でバーコードなどを示すことでサービスを利用できるなどというもの。
現在、国内にNFCのインフラがないため、このような仕組みになっているが、今後NFCの普及によって、NFCを使ったモバイルペイメントやチケットの入退場の仕組みなどが可能になるとしている。