アイ・オー・データ機器の「WNHD-U500」は、見た目は普通のポータブルHDDだが、Wi-Fiアクセスポイント機能とバッテリ内蔵が大きな特徴。スマートフォンやタブレットなどからWi-Fi接続し、データを参照できる。試作機に触れる機会を得たので、使い方を中心にファーストインプレッションをお伝えしよう。

手前が「WNHD-U500」、左上が「iPad 2」、右上が日本エイサーのAndroidタブレット「ICONIA TAB A200」

■主な仕様 [無線LAN] IEEE802.11b/g/n(2.4GHz帯) [HDD容量] 500GB [インタフェース] USB 2.0 [本体サイズ/重量] 約W86×D126×H22mm/約260g [対応OS] Windows XP/Vista/7、Mac OS X 10.4以降、iOS 4.3以降、Android 2.2/2.3 [店頭予想価格] 21,000円前後

WNHD-U500には、DHCPサーバ付きのWi-Fi(無線LAN)アクセスポイントが内蔵されており、クライアント(無線LAN子機)側とクローズドネットワークを構築できる。IEEE802.11b/g/n(2.4GHz帯)に対応し、セキュリティはWPA2-PSK(AES)、WPA-PSK(TKIP/AES)、最大同時接続の推奨台数は3台だ。バッテリも内蔵し、満充電での駆動時間は約2時間となっている。

まず注意しておきたいのは、上に書いたとおり"クローズドネットワーク"であること。例えば、スマートフォンをWNHD-U500にWi-Fi接続した場合、基本的にはスマートフォンからインターネットにアクセスできない。WNHD-U500はインターネット接続機能を持たず、スマートフォン/タブレットのWi-Fi機能がWNHD-U500と接続しているため、インターネットにアクセスする経路がなくなるからだ(将来的に、3G/4G回線とWi-Fiの同時使用が端末側で当たり前になれば解決されるかもしれない)。

コネクタ類はUSB 2.0と電源で、電源スイッチを搭載。反対側にはステータスランプがあり、ランプの色で動作モードを示す

WNHD-U500の外観は厚めのポータブルHDDといった印象だ。容量は500GBで、インタフェースはUSB 2.0×1、ACアダプタ用コネクタと電源スイッチ、状態を表示するステータスランプがある。PCとUSB接続して電源スイッチをオンにすれば、一般的なポータブルHDDと同じように使用可能だ。本体の電源が切れていると、内蔵バッテリの充電モードになる。

おもしろいのは、WNHD-U500の内蔵バッテリを使ってスマートフォンを充電できること。モバイルバッテリとしても利用できるわけだ。WNHD-U500の内蔵バッテリは容量が1,950mAであり、それほど大容量とはいえないが、十分に実用的である。ただし、モバイルバッテリとして使っているときは、Wi-Fi接続のHDDとしては使えない。

バッテリを内蔵し、USBケーブルは2本付属。1本はPCとの接続用(左から2番目)。もう1本はスマートフォンへ給電するためのもの(左から3番目)。スマートフォンとWNHD-U500を接続して、WNHD-U500の電源をオフにすると、WNHD-U500からスマートフォンへの充電が行える

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