ASUSTeK ComputerのCOMPUTEX TAIPEI 2012での新製品は、R.O.G.などの製品は記者発表会で紹介された一方、展示ブースではレギュラーシリーズの新製品が主に展示され、注目を集めていた。
40フェーズの超多フェーズマザーが展示
こちらの記事にある「ZEUS」も、特異なコンセプトで来場者のド肝を抜いていたが、もうひとつ、同じくらい特徴的なマザーボードが「WOLVERINE」だ。詳細は不明ながら40フェーズという超多フェーズ構成が特徴。通常のフェライトコアを使うのではなく、背の低い、比較的高級なMini-ITXマザーやハイエンドグラフィックスカードで用いられる部材で構成されている。どのようなコンセプトで作られた製品か、とくに説明されていないが、そもそもこれまでフェーズ数は、少なすぎては出力やレスポンスが問題となり、多すぎては効率が悪くなると言われていた。ここまでの多フェーズとなると、効率の問題を解決する方法が見つかったのかどうかが気になるところだ。
製品としてのレイアウトは、青/白スロットの同社レギュラーシリーズと同様。x16スロットは青/白/黒の3本で、x1スロットも3本確認できるが、計6本と少なめ。電源/リセットボタンは搭載しているが、デバッグパネルは見当たらない。比較的シンプルな構成と言えそうだ。
Thunderbolt対応マザーとThunderbolt後付け用拡張カード
WOLVERINEはコンセプト的な意味合いが大きい試作マザーボードだが、そのほか、もっと製品に近いマザーボードもいくつか新製品が展示されていた。展示では、まずThunderbolt関連のコーナーがまとめられており、そこにはデモ機として「P8Z77-V PREMIUM」と、拡張カードが2製品展示されていた。
P8Z77-V PREMIUMは、デモ機のみの展示だったため、ショーケースやCPUクーラー等に阻まれ詳細は確認できなかった。しかし4本のx16スロットと2本のx1スロットが確認でき、4-way SLIの刻印も確認できた。肝心のThunderbolt端子だが、上から見た限りでは1ポートのみしか確認できなかった。
P8Z77-V PREMIUM。x16スロットを4本搭載し、4-way SLIもサポートするハイエンドモデル。デモ機はThunderbolt機器に接続していた |
バックパネル中央の白いケーブルの上に黒いケーブルが見えるが、これがThunderboltケーブル。搭載しているのは1ポートのみのようだ |
2つの拡張カードは、「ThunderboltEX」「ThunderboltEX/Dual」と名付けられていた。まず、カード単体で展示されていたThunderboltEX/Dualを見ていくと、これは1スロットサイズのPCI Express x4カードで、mini DisplayPortが2ポート、DisplayPortが2ポート搭載されていた。mini DisplayPort側はThunderbolt端子として利用でき、DisplayPort側はどうやらオンボードやグラフィックスカードのディスプレイ出力としてのDisplayPortから、こちらのポートに接続するらしい。つまり、ディスプレイ信号を引き込み、内部でPCI Expressの信号と合成し、Thunderboltのmini DisplayPort端子から出力するという仕組みであるようだ。ThunderboltEXは、これが1ポートずつに削減されたモデルとなる。ThunderboltEXの実装サンプルでは、電源用途とみられるが、マザーボードのピンヘッダとも接続されている。
ThunderboltEX/Dualは、2ポートのmini DisplayPort(Thunderbolt端子)と2ポートのDisplayPort入力端子を搭載したx4カード |
搭載展示されていたThunderboltEX。オンボードGPUのDisplayPort出力からカードのDisplayPort入力に引きこんで利用する。カード上部には電源と見られるケーブルが接続されている |
「P8Z-77V PRO/THUNDERBOLT」は、こちらもThunderboltに対応した製品で、P8Z77-V PREMIUMの下位モデルにあたると見られる。Thunderbolt端子の位置がP8Z77-V PREMIUMと異なり、バックパネルの一番下にあるが、やはりこちらも1ポートのみだ。拡張スロットは、x16が3本、x1が2本、PCIが2本。オンボードの電源/リセットボタンやデバッグパネルは搭載していないが、無線LAN機能を搭載している。