アプリ起動時には、地上から1mでの測定を推奨するなどの注意事項が表示されるほか、測定後には、放射線や放射能といった基本知識や結果の意味などを解説したWebサイトへのリンクも提示する予定だという。
測定時間は、通常は2分間。計測結果が0.05μSv/hを下回った場合、「0.05μSv/h以下」という表示になり、より正確な計測を行うために、最長40分間まで測定できるという。40分間の測定で、結果が1σの範囲内に収まるそうだ。
計測結果は、スマートフォンならではの強みを生かして現在地の位置情報とともに表示される。記録は、日別表示、カレンダー表示、住所別表示、測定値順表示での履歴表示も可能になる予定だ。
「常時測定」機能も搭載することが計画されている。これは、常に放射線量の測定を行い、その中から過去2分の線量を取り出して、10秒ごとに値を更新して表示し、1時間ごとに履歴に保存するという機能だ。「2分間の測定からμSv/hを算出するのとは異なる計算式」(説明員)を用いることで、1日の累積放射線量を類推することができるとしている。ただし、現在は検討中の機能のため、今後の実装がどうなるかは決まっていないそうだ。
常時測定は、Androidの画面上部にある通知領域に用意された「放射線測定」アイコンから起動。現在の数値は、ロック画面から確認できるようになっている。ソフトバンクによれば、低消費電力のモジュールを開発したことで、バッテリ寿命への影響は軽微としており、常時測定でも「1日使った場合に、通常利用時と寿命が1時間も変わらない」としている。
携帯電話の内部はノイズの塊であり、放射線測定ではノイズや電波の影響を受けて誤作動を起こしやすい。特に着信時には「一気にノイズが出る」とのことで、そうした場合にノイズを除去するようにしたという。また、携帯の内部基板から出る熱についても、「60度ぐらいの熱がこもっても測定にノイズが出ない」ように設計しているという。そのほか、防水・防塵性能も備えているため、通常の測定器とは異なり、「水で流せる点もメリット」と説明員は解説する。
孫社長は、人によって測り方がばらつくなど諸問題について、解決のめどが立てば、「ソーシャルでの(計測値の)共有も検討する」としている。
PANTONE 5は、ソフトバンクとシャープが共同で開発。慶応大学の村井純教授らによる「Scanning the Earth Project (地球環境スキャニングプロジェクト)」が監修をしており、現在、同プロジェクトの検証も行われているという。
「大切な機能を載せた」と孫社長。特に不安を抱える母親に安心してもらいたいとしており、「多くのお客様に使ってもらえるように、『特別な料金体系の形』で普及させたい」としている。
ただし、放射線測定は一定の知識と正しい測り方が必要で、孫社長も「啓蒙活動」の必要性は認めている。PANTONE 5の放射線測定機能に関するしっかりとした情報提供とサポートが求められるだろう。
(記事提供: AndroWire編集部)