実際にデモの様子と合わせて紹介
だが実際のところ百聞は一見にしかず、この手のサービスは実際に見て聞いて体験してみるのが一番だ。実際にデモの様子と合わせて紹介しよう。前述のようにUbitusは日本と韓国ですでにLTEベースのサービスをローンチしており、今回はこれとは異なるシステムを「光ファイバによるインターネット回線」または「AT&TのLTE回線」で利用する形態をとっている。前者はルータ経由でセットトップボックス(STB)に接続され、ここから大型TVへと映像が出力される。ゲームの操作はUSBのゲームコントローラだ。もう1つはSamsung製のAndroidタブレットで、こちらはLTE回線経由でそのままインターネットに接続されている。操作はタッチならびに加速度センサーなどを利用している。
メニュー画面からゲームを選ぶと、まず初期設定が開始され、1分ほど待つとゲームがスタートする。これはサーバ側でゲーム環境を構築している時間とみられ、配信タイトルによって設定時間が異なるようだ。ここまでくると、あとは通常のゲーム機と同じ操作環境だ。このあたりはタブレットでも同様だが、こちらの特徴としてコントローラを接続しなくても、タッチ操作だけでゲームが遊べるようになっている点が挙げられる。UbitusではTV+STB、PC、タブレット、スマートフォンなど複数デバイスでの利用を想定しているようだが、それに合わせた操作メニューを用意しているところが評価できる。
セットトップボックス(STB)を接続したTV画面と同様に、Androidタブレットでも同様のダッシュボード画面からゲームを遊べるようになっている。なお、これはAT&TのLTE回線で動画デモを含むゲーム再生を行っている |
タブレットでゲームを楽しむ場合、タッチ操作によるインターフェイスをサポートする。先ほどのSTBの場合はUSBゲームコントローラを用いるが、タブレットにはタブレットの操作体系を提供するのが特徴といえるだろう |
そして実際のプレイの感想だが、LTE回線のタブレットはたまにアニメーションや音がとんだりする問題もあったものの、おおむねゲーム本筋への影響は少ないようだ。もともと日本でのローンチはカジュアルゲームやMMO RPGが中心で、ラグ等による影響は少なく、今後はよりアクション性の高いゲームへの展開が課題になるとみられる。
光ファイバに接続されたSTBについては、さすがにこのへんの品質はほぼ問題なく、あとはどの程度のラグがあるかがポイントだとみられる。サンプルに利用されていたストリートファイターIVは対戦格闘として比較的ラグにシビアなゲームだと思われるが、実際のデモを見る様子ではほとんど問題はみられなかった。後にUbitusではないGaikaiのシステムを使って筆者も試してみたが、それほど操作に熟練していなかったため、ラグを体感できるほどの腕は披露できなかった。ただ気になるポイントとしては、プレイヤーキャラが実際に動作を起こしてから、「波動拳」といったボイスや効果音が出るまでに若干のズレがあったことだ。説明によればサーバ側でのストリーミング配信における画像と音声のミキシングのタイミングの"ズレ"が原因で、調整で修正していくレベルだという。ゲーム的にはユーザーの抵抗が少ないレベルまで品質が高まっており、あとはKeplerベースのGeForce GRIDでどの程度まで事業者側での採用が進むかがポイントかもしれない。