Webで機種変更も可能
前述のようにリアルな店舗を持たないVirgin Mobileでは、新規契約や機種変更などすべての手続きがWebから行える。筆者は、この前の米国取材で、端末を忘れていってしまった。そこで、現地の店頭で最も安い端末(19ドル程度)を購入し、その端末に機種変更するだけですぐに電話が使えるようになった。もちろん、新規契約でも、やり方はほとんど変わらない。
SIMカードは、差し替えるだけで、ユーザーが自由に端末を変更できるというメリットがあるが、SIMカードそのものがなければどうしようもない。だが、Virgin Mobileであれば、インターネットの自分のアカウントにさえアクセス可能なら、そこで簡単に端末を変更することができる。ある意味、SIMカード以上に便利ではある。もっとも、Virgin Mobileの場合、変更できるのはVirgin Mobileが販売する電話機に限られるが、それでも、一番安いものは20ドル以下で、しかもBestBuyやWalMartといった米国のどこにでもある店舗で簡単に手に入る。
Virgin Mobileで新規契約を行う場合は、インターネットに接続して電話機をアクティベーションし、アカウントを作るという流れとなる。電話機だけでアクティベーションする場合は、最初にアカウントにログインするための暗証番号(米国ではPIN、Personal Identification Numberという)をSMSで送ってもらうかたちだ。
新規契約で電話機をアクティベーションすると、電話番号が割り当てられ、それが各ユーザーの「ユーザー名」となる。以後の手続きは、Virgin MobileのWebサイトで、アカウントにログインして行う。ここには、チャージや利用履歴などのほか、現在利用中の電話やマニュアルなどにアクセスすることができる。
なお、PINはSMSでしか送ってもらえないので、注意したい。日本など、Virgin Mobileとモバイルネットワークで接続していない地域からアクセスする場合には、PINを忘れないように記憶しておく必要がある。
利用する機種を変更する場合は、アカウントにログインしたあと、「swap Phone」というリンクを開く。そこで、新しい端末の固有番号(MEID)を入力したあと、指示に従って、端末の電源をオンにしてメニューからActivateを選べば、端末に自分の電話番号が書き込まれ、すぐに使用可能になる。
MEIDは、Mobile Equipment IDentifierの略で、CDMA系の規格を管理する3GPP2で定めた、端末ごとに付けられた固有の番号だ。UMTS(日本でいうW-CDMA)やGSMで使うIMEI(International Mobile Equipment Identity)に似ているが、利用者の契約とも紐付いている点が違う。IMEIは端末固有の番号だが、契約とは紐付いていない。cdma OneやCDMA 2000では、原理的はSIMカードが不要で、端末と契約者情報が1対1で管理される。Virgin Mobileのサイトでは、利用可能な端末が写真付きで表示され、クリックすると、MEIDの書かれている場所(ほとんどはバッテリケース内)とその位置を写真付きで教えてくれる。
Virgin Mobileでは、あまりに簡単に機種交換できるので、日本で行われているような店頭での手続きはいったい何なのだろうか? という疑問を持つぐらい。SIMカードのような物理的な存在が必要ないぶん、かえってラクなのである。