限界に突き当たったらユーティリティを使いこなして突破しよう

固体差ということも考えられるが、Ivy Bridgeは、Sandy BridgeとややOCの上限が低いように感じる。とはいえ、頂点を目指すわけではないカジュアルなOCであれば、まずまずだろう。4コア時41~42倍あたりが定格のVcoreで動作した限界だが、このあたりなら発熱も抑えられ、パフォーマンスと静音のバランスとしても目安になるだろう。

一方、空冷だからこの程度にとどまったという考え方もできる。現在、メンテナンスフリーの水冷キットが各社から登場している。よほど廉価な製品でもない限り、水冷は空冷よりも熱の輸送効率が高く、より高いクロックを目指す方にはこちらも検討したい。とくに、最近のトレンドは大型ラジエータとファンを2基(以上)搭載するタイプだ。水冷クーラーは、ラジエータを設置するためケースを選ぶこともあるが、それは一部の空冷クーラーでも物理干渉という形で同様だ。水冷キットの導入に対し、そこまで尻込みする必要は無い。

マザーボードで言うと、OCに際し、基本的にはBIOSその他を最新版にしておくのが良いだろう。ただし、最新BIOSにトラブルがあるということもあり得るので、過去のBIOSのバックアップは欠かせない。また、ユーティリティを使いこなすというのも重要だ。今回、3D POWERユーティリティで限界を突破できたように、マザーボードの機能を使い切ることが、マザーボードの性能を出しきることにつながる。こうしたユーティリティの動向も、OC用マザー選びにおけるチェック項目になりそうだ。