「日本人の生活の中で二大エンターテインメント」(田中社長)である音楽と映画にフォーカスしたサービスで、2つの新サービスによって「エンターテインメントの視聴スタイルを変えたい」と田中社長は意気込む。なお、政府調査では、5,900万人以上が音楽鑑賞を、5,200万人が映画鑑賞を趣味と答えていたそうだ。
「二大エンターテインメント」の音楽と映像。しかし、これまではレンタルショップに行って借りてきたり、ネット配信でダウンロードしたりとバラバラの入手方法に、映画はテレビ、音楽はスマートフォン、といった具合に、視聴環境もバラバラだった |
うたパスは、LISMO Player対応Androidスマートフォン向けに提供される、月額315円の音楽配信サービス。まずは6月中旬から8月31日まで、スマートパス会員向けに無料で提供。9月からauユーザー全体に拡大する。
うたパスは、一定のテーマに沿った50以上の「セレクトチャンネル」に多彩な楽曲が集められ、聞きたいテーマに沿ってチャンネルを選ぶと、音楽がストリーミングで流れてくる。検索などで自分の好きな楽曲やアーティストを探すのではなく、ラジオのように流れてくる曲の中から、好きなアーティストや楽曲を見つける、というサービスだ。
気に入った曲があれば、ダウンロード型の音楽配信サービスLISMO Storeや定額制音楽ストリーミングサービス「LISMO Unlimited」への導線が用意され、購入ができる。「ながら聴きをしたい人にはうってつけ」と高橋誠専務はアピールする。
さらに「ソーシャル時代に即したもの」(高橋専務)を目指し、ユーザー同士のつながりによる聴取スタイルも提供。これは、あるユーザーが楽曲を再生中に「公開」設定にすると、現在聴いている曲がユーザー名や設定したアイコンとともに公開され、ほかのユーザーは、その人が聴いている曲を見て、自分も聴きたければ「フォロー」をすると、同じ曲が自分の方でも流れ始める。自分が好きな曲ばかり聴いているユーザーであれば「フレンド」登録すると、そのユーザーが聴いている曲を簡単に確認できる、というもの。
フォローは永続的ではなく、その時だけ同じ曲を聴く、というスタイルで、フォローされたユーザーには、現在フォローしているユーザー数とユーザー名が通知されるが、ほかのSNSのようなフォローを返すといった機能はない。フレンド登録は、ユーザーをお気に入りとして登録する機能で、フレンドに設定したことは相手のユーザーには通知されない。もちろん、聴取中の楽曲を非公開に設定(デフォルトは非公開)することも可能だ。同様に、有名人の聴いている楽曲を公開するセレクトチャンネルも用意。そのほか、音楽を聴いていて、好みでなければスキップをしたり、ハートマークを押してお気に入りに設定することが可能となっており、こうした情報は収集され、そのユーザーの嗜好に合わせた「マイチャンネル」も提供する。
こうしたさまざまなチャンネルやフォローといった方法によって、ユーザーが新しい音楽に出会うことを目指したサービスで、「人の数だけチャンネル数は無限大。出会った音楽は(LISMOなどで)自由に購入できる」(高橋専務)ようになる。
サービスはKKBOXのプラットフォームを活用し、レコチョクと協業して提供する。LISMO Unlimitedと同様で、全体の配信楽曲数はLISMO Unlimitedと同程度になるという。電波の届かないところでも聴けるように現在聴いている1曲分しかバッファせず、自分で検索できないという特殊な視聴スタイルであり、レーベルなどのコンテンツプロバイダとの交渉では、従来型では配信を許諾していなかったアーティストの楽曲も登場してくる可能性があるという。