プロセッサメーカー系ではIntelとQualcomm

プロセッサメーカー系では、Intelが出展を行っていた。同社は、LenovoなどのAtom Z2640搭載のスマートフォンを展示。米国では、まだZ2640を搭載したスマートフォンの採用をどこの事業者も決めていない。そのほか、AtomやCore iシリーズ搭載のタブレットなどを展示した。Atom Z2640は、Medfieldと呼ばれていたコアで、今年1月のCESで、これを搭載したスマートフォンが発表された。中国やEU圏ではようやく出荷が始まったところ。なお、これらにはAndroidが搭載されている。

QualcommもARMアーキテクチャのプロセッサメーカーであるが、今回は、一般ユーザー向けに同社技術の応用などを展示。Snapdragonシリーズでは、同社独自の省電力技術のデモを行っていた。クワッドコアで4つの動画を再生しつつ、担当しているCPUのクロック周波数をグラフで同時に表示する。画像の再生を止めるとCPUも停止することを見せた。Snapdragon S4では、4つのコアの電源電圧とクロック周波数を個別に制御可能で、不要なコアを完全に止めておくことができる。

Qualcomm社のSnapdragon S4のデモ。4つの動画を同時再生し、4つのプロセッサのクロックしゅうはすうを表示。画像を止めるとそのコアがオフになり、クロック周波数がゼロになる。これにより、システムとしての低消費電力化が可能になるという

Orangeがフランスで出荷を開始したMedfield(Atom Z2640)搭載スマートフォン

アンテナタワーやユニークなアクセサリーも展示

展示会場には、小さなブースも多く、アクセサリー類のメーカーやディストリビューターがかなり出展している。1年に1回しか製品が切り替わらず1機種しかないiPhone、iPad関係の展示が最も多いが、SamsungなどのAndroid用のアクセサリーも少なくない。アクセサリーの中で最も多いのは、カバーやケースで、多数の製品をそろえて展示するようなブースもある。中には、栓抜きがついたケースで、専用ソフトを使って、開けたビールの本数をカウントするといったユニークなものもある。

1つのメーカーだけでもこんなに大量の携帯電話カバーがある

栓抜き付きのiPhoneカバー。専用ソフトで開けたビールの本数をカウントできるのだとか。HeadCase社(beaheadcase.com)の製品

また、基地局のアンテナタワー関係の展示もユニークだった。通常の鉄塔だけでなく、アンテナや移動基地局用のタワーやグラスファイバー製のタワー、サボテンや木に「偽装」するものなどがあった。また、配線用のコネクタや防水カバー、ディーゼル発電機といったさまざまなものが展示されており、これらは通常の展示会などでは見られない風景だった。

Tower Technologyコーナーには、こんな感じでアンテナや鉄塔、基地局関係の機器などが展示されている

グラフファイバーを使ったアンテナタワー。軽量で工事期間が短縮できるのがメリット

赤十字社のRemote Monitoring and Communications System(ReMoCo)。太陽電池で動作するため、どこでも利用できるのだという

ブルドーザーなどで有名なCaterpillar社の発電装置

樹木に偽装した携帯電話基地局のアンテナ。景観などの問題で偽装が必要な場所もあるのだという

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