CTIA Wirelessには展示会場もある。会場内はいくつかのパートに分かれており、それぞれに製品カテゴリなどが設定されている。一番多いのは、携帯電話アクセサリー関係で、こちらは小さなブースも多い。端末メーカーも出展しているが、今回、NokiaやSumsung、Motorolaなど、大手メーカーの中にはブースをもたないところもある。ただ、ミーティングスペースなどは持っており、企業としてはCTIA Wirelessに「参加」していることになっているところもある。
出展している端末メーカーのうち、著名なところではLG電子、HTC、京セラなどがある。ただ、出展企業の中には、リセラー、ディストリビューターなどもあり、会場内に必ずしも、ブースをもたないメーカーの製品がないわけでもない。そのほか、米国の事業者やMVNOなども参加しているほか、同時に開催されているTower Technology Summitの出展として、アンテナタワーや基地局関連の設備などのメーカーが出ている。
LG、京セラ、HTCなどが出展
CTIA Wirelessは、「International」とされているものの、米国内でビジネスを行う企業が中心で、海外メーカーもEU圏よりは、中央アメリカなどの企業が多い。このため、米国では、新製品であっても、海外ではすでに発売中ということもある。前回、少し話したように、CTIAはもともと、スペインバルセロナで開催されるMWCの直後ということもあって、こうした状況になりやすい。ただ、昨年は、Samsungが、Galaxy Tabのプレビューを行ったなど、まったく新しい製品と無関係というわけでもない。
LG電子は、4Gのスマートフォンが主力。急速に普及しつつあるLTEやHSPA+などの4G技術を使った端末を展示。また同社はじめての5インチ液晶搭載のVu:などの展示も行っていた。Optimus Vu:は、テレビ受信機能を内蔵し、付属のスタイラスによる描画が可能になっている。本体上部にボタンがあり、これを使って描画機能をいつでも呼び出せる。このとき、直前の画面をバックグラウンドとして取り込む機能があり、これを使うことで、アプリケーションの画面などにあたかも直接書き込みしているように見える。なお、この機能では、筆跡と背景を画像として保存することができる。付属ペンによる描画はわりとスムーズに行える。SamsungのGalaxy Noteに似たコンセプト。
また、LGは、Googleが米国で展開するモバイル向け決済サービスであるGoogle Walletに対応した端末VIPERなども展示していた。Google Walletは、これまでNexus S 4Gでのみ利用可能だったが、はじめてメーカーブランドの製品が登場した。ただし、Google Walletは事業者としてはSprintのみ。
京セラは、CDMA2000の端末がメインであり、米国では、わりとよく見かける日本のメーカーの携帯電話だ。日本では、auやウィルコムに端末を供給している。旧三洋電機の携帯電話事業を買収したが、もともは、Qualcomm社の端末事業を買収している。三洋電機も米国で携帯電話のビジネスを手がけており、日本のメーカーでは、比較的早くから海外進出している企業だ。
海外市場では、QWERTYキーボード組み込むなど、高性能なフューチャーホン(非スマートフォン)などが多かったが、最近ではAndroidにも力をいれている。新製品としては今年の夏に出荷予定のHydroとRAISがある。HYDROは、防水スマートフォン、RAISは、スライド式のQWERTYキーボードを装備する。このほか、昨年発売して話題になった折りたたみ式2画面のAndroidスマートフォンECHOや、振動で音を伝える技術の展示などを行っていた。
HTCは、MWCで発表したHTC Oneの展示が中心。高速なカメラ機能や音楽などの体験コーナーを大きく取った。また、EVOの4G対応版の展示も行った。EVO 4Gは、WiMAXの代わりにLTEに対応したものだが、内部的にも強化されており、HTC One同等のカメラ機能や音楽機能を搭載した。