現状での各社オンラインストレージ
このようにオンラインストレージ周辺は群雄割拠の時代に突入した訳だが、Dropboxなど先発組の存在も見逃せない。そこで新生SkyDriveを中心にサービス内容を比較してみた。図17を機能面を比較したものだが、無料で使用できる容量のDropboxが少なく見えるが同社は容量を無料で追加できるキャンペーン各種を行っており、現在筆者は4Gバイトまで拡大できていることを踏まえると、極端に少ないとは言いがたい。
もっとも同社は容量を無料で追加できるキャンペーン各種を行っており、現在筆者は4Gバイトまで拡大できていることを踏まえると、極端に少ないとは言いがたい。また、SkyDriveの容量が7Gバイトになっていることに注目して欲しい。Microsoftの調査によると99.94%のユーザーは7Gバイト以下の容量しか使っておらず、多くのユーザーにサービスを提供するために、SkyDriveの無料容量を同サイズに変更したと述べている。ご存じのとおり同サービスは以前から25Gバイトと、他社を圧倒する容量が売りの一つだったため、4月1日の時点で4Gバイト以上を使用しているユーザーは自動的に25Gバイトに変更。それ以外の既存ユーザーは時限的な措置として25Gバイトへの申し込み機能を用意している(図17~18)。
その一方で目立つのが1ファイルあたりの制限。Google Driveは無料容量を超える10Gバイトと圧倒的だ。これは同社が企業向けとして16Tバイトまでの容量プランを設けているからだろう。SkyDriveおよびDropboxは300Mバイトとかなり少ないが、クライアントソフトによる同期の場合は2Gバイト/無制限となるため、現状だけで見るとギガバイト単位のファイルをやり取りが多い場合Google Driveへ移行した方が便利なのは確かだ。
今度は各社の追加容量プランを比較してみよう。SkyDriveは日本円、Google DriveやDropboxはアメリカドルであるため、執筆時の為替レートを元に日本円で換算。また、支払い額を年単位に変換している。数字だけ見るとSkyDriveの安さが目立ち、そこにGoogle Driveが追従する形となった。
HDD(ハードディスクドライブ)の実売価格でよく見かけるギガバイトあたりの価格と比較しても、バルクHDDのギガバイト単価をちょっと超える程度。電力やバックアップといった付加的コストを踏まえると、オンラインストレージが現実的なものになったことを実感させられる(図19)。
このようにオンラインストレージサービスは、OS、Webブラウザーに連なる"戦争"状態であることは間違いない。OSやWebブラウザーほどシェア(占有率)が重要にならず、単独では付加的価値しか持たないものの、アドバンテージを取ることで自社製品と連動による展開が見込めるだろう。それだけにオンラインストレージは、インターネットサービスにおける重要なファクターに位置しているのだ。ユーザーとしては利便性を踏まえつつ、最適なオンラインストレージサービスを選択して欲しい。
阿久津良和(Cactus)