高速な番組検索は実用的

録画番組を観る場合には、番組表を遡って選択してもよいし、目的(観たい番組)がもっとはっきりしているのならば、「番組検索」機能を使用するという方法もある。

検索はかなり高速

古い番組から順に表示される

上ボタンを押すと、最後のページに切り替わる

番組検索には、メニューボタンを押すと表示される「まるっとゼン録検索」を利用する。「ニュース/報道」「スポーツ」「ワイドショー/情報」など13のカテゴリーが登録されており、それぞれを選択すると、そのカテゴリーの番組が検索されてリスト表示される。検索結果を表示した画面では、古い番組から順に並んでいるが、最新の番組を観たいこともあるだろう。そのような場合には、リモコンの上ボタンを押して、最終ページに移動する。そこから番組を選択すればOKだ。番組の検索は、一般的なHDDレコーダーで番組検索を行うのよりも高速に行われるので、ストレスを感じることは少ないだろう。

まるっとゼン録と個別録画の2種類がある意味

まるっとゼン録で録画した番組は、「まるっとゼン録設定」の中にある「まるっとゼン録ダビング」によって、個別録画専用領域か、外付けHDDにダビングを行うことが可能だ。全番組が録画されるのならば、個別の番組に対して録画予約を行う必要は? というところだが、2種類の録画方法で、ダビングの際の動きが異なるのだ。

個別録画領域からは、ダビングではなくムーブになる

まるっとゼン録ダビングを使用した場合、ダビング10のルールが適用され、8回目まではダビング、9回目はムーブとなる。一方、最初からHDDの個別録画用領域に録画した場合は、ムーブのみが可能だ。外付けHDDに録画した番組を内蔵HDDにムーブすることはできない。さらに、内蔵HDDから外付けHDDにムーブした番組を、再び内蔵HDDにムーブすることもできない。

なお、個別録画の画質にも、まるっとゼン録で設定した画質が適用される。個別録画だけ画質を変えるということはできないので注意が必要だ。

一般的なレコーダーの自動録画機能とゼン録では感覚がまるで違う

こういった製品に対して、そこまでテレビに執着しなくても、というイメージを持つ人もいるかもしれない。ところがゼン録は、何としてでも特定のテレビ番組を観たり録画したりしたいという人に向けた製品かというと、それとはどうも違った方向の製品のようだ。

一般的なレコーダーでは、自分が観たい番組を、自分の意思で録画予約する。それには、どの番組が自分が観たい番組であるのかを何らかの手段で事前に知っておく必要がある。

ところがゼン録では、そういったことはいっさいなく、すべての番組を録り溜めていくことになる。最近のレコーダーでは、自動録画機能を備えたものも増えてきているが、それはあくまで、ユーザーが行う録画予約の補助的なものだ。「サッカー日本代表」といったキーワードなどの条件を任意で設定しても、必ず録画できるというわけではない。自動録画をメインの録画予約方法として使用している人は、あまりいないだろう。しかし、全部録画されてしまうのならば話は別だ。

また、普通のレコーダーで、自動録画機能をフルに使うとどうなるか? やってみたことがある人はわかると思うが、とんでもなく面倒なことになる。数日ほど放っておくと、録画済みでまだ観ていない番組が、山のように溜まっていく。多くのレコーダーでは、ユーザーが自分で予約した番組と、自動録画された番組は簡単に区別できるようになっているが、山のようなリストから観たい番組を探すのは大変な労力が必要だし、観ない番組を選んで消去するだだけでもかなりの手間だ。

録画済みでまだ観ていない番組の数が、3桁を超えるようになるとどうするか? たいていの人は、観るのをあきらめるのではないだろうか。少なくとも筆者はそうだ。

ゼン録では、番組は決まった日数分しか保存されないため、そのようなことを心配する必要はない。録り溜めてはいるが、別に観なくても構わない。普通のテレビやレコーダーで、観たい番組を番組表から選ぶのと同じ感覚で、"過去"何日間かの番組表から観たい番組を選べるレコーダー、それがゼン録だ。

レコーダーの使い方には大きく分けて、番組を録画して残しておく「ライブラリ派」と、録画したものを時間のあるときに観る「タイムシフト派」の2種類がある。もちろん、完璧にどちらかに属しているという人は希で、どちらかの要素が強いということなのだが。いずれにせよ、レコーダーというよりも、全番組を一定時間キープしておくゼン録は、タイムシフト派に強力にアピールする製品だといえるだろう。

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