HTC J ISW13HTの最大のポイントとして、HTCが紹介するのが、カメラと音楽機能だ。「アメージング・カメラ」と名付けられたカメラ機能では、カメラ起動が0.7秒、AFが0.2秒という高速な「インスタントキャプチャ」に対応。シャッターを押してから実際に撮影が行われるまでのレリーズタイムラグがほとんどない「ZERO-WAIT Shutter」機能も備える。フォーカスの自動追尾機能も搭載。シャッターアイコンを押し続けることで最大4コマ/秒・99枚までの高速連写が可能だ。
クリアショット機能では、最大10人までの顔を認識し、複数枚の写真を連写、目つぶりがない、笑顔が多いといった画像を1枚に合成して記録する「グループショット」、露出の異なる2枚の画像を連写して合成する「HDR」、暗さと被写体までの距離を自動で判別してフラッシュ光量を調整する「自動調整フラッシュ」の各機能を備えた。
他社と比較したHDR機能。HDRなしでも他社に比べて良好な結果だが、HDRだとさらに優秀だとアピール。ちなみにこの比較はMWCでも披露され、この時Chou CEOは 「他社」について「iPhone 4S」とコメントしていた |
ユーザーインタフェースも工夫し、カメラ起動時に静止画と動画のどちらの設定か迷わないように、静止画シャッターと動画シャッターの2種類を同時に表示、どちらでも撮影できるようにした。フルHD動画の撮影に対応し、動画撮影中でも、静止画シャッターを押すとその場で静止画が撮影できるほか、撮影した動画を再生中に静止画シャッターを押すと、そのシーンの切り出し静止画を保存できる。動画撮影機能では、最大4倍の高速度撮影も対応する。
カメラのユーザーインタフェース。静止画・動画両方のシャッターボタンがあり、どちらもモード切替なしで撮影できる。動画撮影中に静止画シャッターを押せば静止画撮影される |
動画再生中でも、静止画シャッターから画像切り出しができる |
ハードウェアにもこだわり、5枚構成でF値F2.0という明るいレンズを搭載。他社ではF2.4、F2.8といったレンズはあるが、「これまでのスマートフォンには乗っていなかったような明るいレンズ」(HTC最高商品責任者・小寺康司氏)によって、暗いシーンでもより光を取り込みやすく、高画質の写真が撮れるようになった。レンズに加えて画質劣化になる赤外線を吸収するブルーガラス、絞り、裏面照射型CMOSセンサーを備えたカメラモジュールに、独自の画像処理エンジン「HTC ImageChip」も採用。従来に比べてノイズを40~60%低減氏、より自然な色再現を実現した、という。
小寺氏は、スマホの機能の中で電話機能に次いで使われている機能がカメラと話し、2011年にはFacebookに携帯・スマートフォンからアップロードされた画像だけでも450億枚に達したという。「その9割が、ピンぼけなどで品質がよくない」と小寺氏は指摘し、今回のカメラ機能でより高画質な写真を撮影できるようになり、「HTCのカメラを持てばデジカメはいらないという状況を目指した」(小寺氏)そうだ。
なお、HTC J ISW13HTの購入者には、オンラインストレージのDropboxの有料サービス(容量25GB)が2年間無料で利用できる権利が付属。撮影画像を自動でオンラインにアップロードし、ほかのPCなどと自動で同期できる。
音楽機能は「オーセンティックサウンド」と名付けられ、高級ヘッドフォンブランドのBeats Electronicsと協業し、「Beats By Dr. Dre Audio」技術を採用した。通常の音楽プレイヤーだけでなく、YouTubeなど、ヘッドフォンを通した音を全て高音質化し、「アーティストの意図した音を忠実に再現」(同)することを目指した。
音楽管理機能も強化し、PCとHTC J ISW13HTをUSBケーブルで接続するとソフトウェアがインストールされてPC内の楽曲データなどを収集し、HTC J ISW13HTに簡単に転送できるようにした。最初のインストール以降は、USB接続は不要で、無線LAN経由で楽曲の同期も可能にして、簡単操作を実現した。付属ヘッドフォンは「Beats By Dr. Dre urBeats In-Ear Headphone」で「1万円以上する」(KDDI)クラスのヘッドフォンを同梱した。