FileMaker Pro 12

パワフルで使いやすいデータベースソフトウェア、FileMaker Pro。データベースの専門家でなくても容易にデータベースを作って使い始めることができる上に、Mac版とWindows版があるのでクロスプラットフォーム環境にも導入しやすいことから、長年にわたって定評が高い。さらに2010年には、iOSデバイスでFileMakerのデータベースを使うためのアプリケーション、FileMaker Goが登場。iOSデバイスの好調さ、使いやすさと相まって、活用の幅が大いに広がっている。

そうした中で本日発表され、4月10日に発売開始となるのが「FileMaker 12」ファミリーだ。その中核となる「FileMaker Pro 12」は、美しく洗練されたレイアウトが簡単に作れる機能強化とともに、FileMaker Goとの連携が意識されたバージョンアップとなっている。しかも、「FileMaker 12」ファミリーに対応するFileMaker Go 12は無料でダウンロード可能だ。ここでは、そんなFileMaker Pro 12とFileMaker Go 12の新機能をご紹介していこう。

まずは、運用に大きく影響するファイルフォーマット変更の話から。

FileMaker Pro 11までのファイルの拡張子は「.fp7」。つまりバージョン7から使われてきたファイルフォーマットだ。これが、約8年間ぶりに変更された。新しい拡張子は「.fmp12」となる。

後述するiOS用のFileMaker Go、開発者向けの機能が搭載されたFileMaker Pro Advanced、サーバソフトウェアのFileMaker Serverなど、FileMaker 12ファミリーは、バージョン12の組み合わせでのみ使用できる。たとえばFileMaker Pro 12で作ったファイルを、FileMaker Pro 11やFileMaker Go 11で開いたり、FileMaker Server 11で共有したりすることはできない。

編集部注:FileMaker 12ファミリーの発表にともない、従来バージョン対応のFileMaker Goは「FileMaker Go 11 for iPhone」「FileMaker Go 11 for iPad」とアプリ名に「11」というバージョンナンバーが明記され、新しい「FileMaker Go 12 for iPhone」「FileMaker Go 12 for iPad」と区別されるようになった。

FileMaker Pro 11以前のフォーマットのファイルをFileMaker Pro 12でそのまま開くこともできない。開く際に、ファイルフォーマットを変換するダイアログが表示される(図01)。「OK」をクリックすると変換が行われ、完了後に新しいフォーマットのファイルが開く。変換前の旧フォーマットのファイルはそのまま残る。

図01 FileMaker Pro 12でバージョン11以前のファイルを開くときに表示されるダイアログ。「OK」をクリックすると新しいフォーマットに変換される